創作

□引きこもり次男
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今日は日曜日です。

だから僕はお家に居ます。

明日は月曜日です。

でも、明日も僕はお家に居るでしょう。

なぜなら僕は、社会では生きる生ゴミと比喩される引きこもりだからです。

引きこもってからもうすぐで一年になります。

僕は次の四月には四年生になっているのでしょうか?

それともまた三年生をやり直しでしょうか?

どちらにせよ学校に行く気はないので、どちらでも良いです。

僕は家にいるときは家事をしたり本を読んだりしています。

今日も、一人で本を読んでいました。

本を読んでいると、喜一兄が我が輩と遊んでくれたまえよと、寄ってきました。

無視したら抱きついてきました。

それでも無視したら頭をかじられました。

今度は無視しないで、本の角っこで喜一兄の額を殴っておきました。

喜一兄は泣きながらどこかへ行ってしまいました。

僕は喜一兄が嫌いではありません。
むしろ大好きです。

弐子姉のことも大好きです。

家族が相手だと、僕は普通に喋れます。

でも赤の他人と対面すると、狡猾な気持ちになります。

何を言ったら相手に良く思われるか。

何を言ったら自分は良く思われるか。

そんなことばかり考えてしまいます。

けれど、頭の悪い僕はすぐにそんな気のきいた返事を思いつくことができません。

結局は何も言えぬままマヌケ面を相手に晒すことになります。

見栄を張ろうとして失敗する屑なんです僕は。

自分の力量はもう解りました。

こんな情けない醜態を晒すぐらいなら、誰とも関わりたくはありません。

いえ、自分がそんな自分を見たくないのです。

劣等感ゆえか、役に立たないプライドだけは、人一倍強いのです。

だから僕は引きこもります。


今日は日曜日です。

明日も日曜日です。

毎日が日曜日です。


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