創作
□迷惑人種
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「どうして僕はこんなにも人に迷惑をかけてしまう人間なんだろう」
「迷惑をかけない人間なんていないさ」
「そりゃそうだけど、自分が気を付けていれば、かけずにすむ迷惑もあるだろう?」
「あるね」
「その回数が、一定値よりも――いや、正しい数値なんて知らないけど、まあつまり、人より多い気がするんだよ」
「気がする?」
「・・・・・・気がするじゃなくて、実際そうなんだろうけどさ」
「どうしたいの?」
「できたら迷惑かけずに生きたいよ」
「なぜ?」
「人に迷惑かけてるって実感したり思ったりすると、自分が気のきかない人間で、つまらない人間だと思えて、嫌な気持ちになるからだよ」
「自分が嫌な気持ちになるから、人に迷惑をかけたくないんだね」
「ああ」
「相手を想ってのことじゃないんだね」
「ああ」
「君は人に迷惑をかけないようにしたいんだろ?」
「ああ」
「君には無理な話だろうよ」
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