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□授業中
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「追手内と杉田。・・・・・・お前ら、どうしてそんなに寄っているんだ?」
そう問う教師の視線の先には、件の二人が机と机の繋ぎ目に沿うよう仲良く肩を並べて座っている。
それも、少しでも体を動かせば互いの右肘と左肘がこすれるほどの、距離感ほぼゼロ状態である。
「すみません――」
名指しされた二人の内、逸早く口を開いたのは洋一だった。
「僕が教科書を忘れてしまったので、杉田君に見せてもらっているんです」
言って、洋一は頭をぺこりと下げ、バツが悪そうに頬を掻いた。
その何とも言えない気の抜けた仕草に、転々とクラス内で忍び笑いが起こる。
(しかし、そのうだつの上がらない姿がらしいと言えば洋一らしいというのも皮肉な話だ)
「まったくお前は・・・・・・。まあいい」
教科書を忘れ、隣の者に見せてもらうという光景はとりたて珍しくもない。
なので、教師はやれやれとため息を吐き、次からは気を付けるようにと、当たり障りのない口頭だけの注意で話を締めた。
だかしかし――この教師がもし洋一の席にまで行って注意をしていたら――
隣に座る、杉田努力の小さな震えに気が付けたのかもしれない。
***
僕と努力は一番後ろの席で、窓側には努力が座っている。
そして僕らは同じ横軸の机の位置より少し後ろに机をずらして座っているため、僕側の通路を挟んだ隣の席の奴らに僕たちの姿が見えることはひとまずない。
「はあ、はあ・・・はぁ・・・」
授業開始から十分後。
隣から聞こえる熱を帯びた吐息が少し強さを増したので、僕はチラリと努力の顔を盗み見る。
うっすらと赤くなった頬にトロンとうるんだ瞳は、まるで風邪をひいた病人みたいで。
でも、そうじゃないことは僕が一番よく知っている。
【努力の顔、すっげえエロい。そんなに気持ちいいの?】
僕は努力の教科書にそう書くと、努力の肘を自分の肘でノックした。
「ふぅ、あ・・・?」
努力は心ここにあらずといった調子で、でも僕の文章に気付くと泣きそうな顔になり、足をもじもじさせた。
そして自身の鉛筆の先をノートから教科書に移し、
【もう抜きたいです】
と書いて寄越した。
もちろん僕の返事はNOだ。
ちなみに、努力の言う抜きたいモノ――それは僕がこの授業が始まる前に入れたバイブだ。
小型で微弱な振動しか与えないこのバイブは、イクにいけない程度の快感しか与えない。
そして僕は、努力に自分でいじって絶頂に達することを許していない。
だから。努力はむず痒い感覚に悶えながら、一人必死に耐えるしかないのだ。
それが、修行なのだ。
「・・・・・・」
僕は顔を前に向けたまま、左手を努力の右太股にのせた。
「・・・んっ、はぁっ・・・ししょう・・・?」
小声で僕を呼ぶ努力を無視し、前を向いたまま手を柔道着の中へと滑らせる。
「っや・・・」
ビクリと体を緊張させる努力。
僕は構わずすべすべの脇腹をなぞり、手を下降させる。
その時チラっと努力の下半身を見たら、努力のズボンが僕の手の形に膨らんでいて、僕は薄黒い興奮を覚えた。
「やっ、やめてください、師匠」
やめてください?そう言いながらも、努力は無意識に足を開き、そそり立っているそれを触りやすくしてくれている。
なので僕はお構い無く努力のそれを赤フン越しに掴み、上下に擦る。
「んんぅ・・・はうぅぅっ・・・」
緩急をつけ、先端からしみだした体液をぬりこむようにしつこくシゴいていると、努力の口から押し殺せなかった声がもれ、足も更に開かれていく。
・・・・・・もっと触ってってことなのだろうか。
まあ本人は否定するだろうが。
僕は教師が黒板に書いている内容を右手でノートに書き移しながら、左手は器用に努力の奉仕を続行させる。
絞りあげるようにきつくしたり、先端をぐにぐにと指先でもみこんだり――
その度に努力の体はビクビクと敏感に震え、息をもらす。
見ていて本当に飽きない奴だ。
「ふぁ、あ・・・ししょう・・・」
息を乱し、甘い声を出す努力に、僕はまた教科書に手紙を書いた。
【声出すと皆にバレちゃうよ?】
「でも、もうっ・・・」
「で、あるからして――」
そこで丁度先生が振り返ったので、僕は努力のそれから手を離した。
「あっ・・・」
イク寸前だったであろう努力のそれは、オアズケを食らって痛々しいほどににテントを作りあげている。
努力は苦しそうに拳をギュッと握り耐えているが、同じ男として心の中で合掌しておこう。可哀想に。
まあ――元から努力をイカせるつもりはないけれど。
「・・・・・・努力、イッたら駄目だよ?」
「は・・・い・・・」
だってこれは修行だから。
これから先、暴力だけでなく、性感で訴えてくる敵が出てくるかもしれないから。
これは、そういった敵に対しての耐性を身につける修行だから。
だから、努力は快楽に飲み込まれてはいけないのだ。
「でも・・・・・・。すみません、ししょう。もう・・・無理です・・・」
しかし――どうやら努力はギブアップのようだ。
「・・・・・・しょうがねーなー」
僕は頬につけていた手を上げ、言った。
「先生、杉田くんが具合悪いので、保健室に一緒に行って来ます」
***
とまあ教室を出たが、保健室に行くわけがない。
僕は前屈みの努力をトイレの個室に連れていき、ズボンと赤フンを脱がしにかかる。
「ひゃぁあっ!ししょう!」
布が擦れるだけでもあえぐ努力は相当きているらしい。
「・・・・・・今楽にしてやっから」
柔道着の上着がワンピースのようにチラチラと揺れる中。
僕は努力に壁に手をつかせ、尻を突き出させる。
「ふっ、あああああっ!!」
アナルに刺さっているバイブを外し、代わりに僕のモノをあてがうと、努力は逃げるように身体をよじらせた。
「やっ、師匠っ」
「嫌じゃないでしょ?」
努力の中はとても熱く、きゅうきゅうと僕のものを締め付けてくる。
「でも、そんないきなりっ!はぁっ、あっ、やっ、あっそこやっあ」
「ここがいいの?」
努力が反応した角度で執拗に責める。
「やああああっ、あっ、ししょ、なんかおかしいっ、です」
「おかしいじゃなくて、気持ちいい。ほら、言ってみ?」
「や、あっ・・・き、きもちいい、です・・・っ・・・、あっ!ししょうのちんぽ、奥まで当たって、きもち、いいですっ・・・っ」
「良くできました」
僕は努力の細い腰に手を置き、動きを早める。
努力と繋がった部分がどんどんと熱くなっていき、もっともっとと僕を駆り立てる。
もっともっと、努力の中に入りたい。入って僕のものでもっともっとぐちゃぐちゃ掻き回してやりたい。
「ひっ・・・やあ、ああっ・・・っ!」
まるで泣いているみたいな努力の声。
「教室では聞けなかったからさ、いっぱい聞かせてよ。その声」
「やっ、あっ・・・、ししょう、聞かないでくださいっ、ししょう、や、あっ、あっ!」
「僕は好きだよ、そのえっちい声」
「はあっ、あっ、うっ・・・ししょう、なんかくるっ、くる、んっあぁああああっ!」
柔道着の上から乳首をギュッとつまむと、同時に努力は背筋を大きくのけぞらせ、下半身の中央から熱い白濁した体液を放出した。
僕もおかげさまで努力の内部にぶちこんだので、トイレの壁にぐったりと倒れる努力からペニスを抜くと、コポコポと努力の尻穴から僕の精液が流れ出た。
「ほら努力、ここに座って」
「・・・・・・は、い」
僕は努力を便座に座らせると、トイレットペーパーで後始末を始めた。
早く拭かないと後が大変になるからな。
「・・・・・・」
「・・・・・・?」
ふと視線を感じ顔を上げると、努力が僕をじっと見ていた。
「なに?」
「・・・・・・です」
「は?なに?」
「好きです、師匠」
「・・・・・・あっそ」
言って、僕はまた顔を下げ、努力の太股にたれる白い液を拭い取った。
***
ひねくれた僕はひねくれた言葉しか紡げなくて、それでもいつかを夢見てる。いつか君に言えたらいいな、愛してる。
終わり