裏系はR18でお願いします(´∀`)

□らっきょ漬け
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※実際はらっきょうですが、ラキマンだとらっきょって呼ばれているのでそう書いてます(´∀`)

***

「明日の午後、公園のテントに来てくれませんか?」

学校からの帰り道。
やけににこにこしている努力に誘われる。
そのご機嫌な様子から察するに、さぞや楽しい計画を立てているのだろう。
逆に、僕の明日の予定と言えば家でごろごろするだけだ。努力の誘いを断るほど忙しいわけではない。
とはいえ、

「明日、何があるんだ?」

相手は努力だ。楽しいの基準が天と地ほど違う奴だ。
楽しいですね〜なんて言われながら、筋トレや滝打ちに付き合わさた日にゃあたまったもんじゃない。
僕は軽くため息を吐き、

「どうせ――お前から誘うってことは修行か何かじゃねえの?」

と、ジト目で訊いてみた。

「さっすが師匠!当たらずとも遠からずです」

当たってないのにさすがなのか。

「もう、結局何なんだよ」

僕は歩みを止めず、首を傾げる。
すると努力は、「それはですねえ・・・・・・」と得意気に言葉を溜めて、

「師匠のらっきょ嫌いを治すのですよ!」

と、赤い瞳を更に輝かせて宣言した。
僕の目の色は反対に暗くなったけど。

「・・・・・・明日、絶対行かないからな」

「えええ!?」

笑顔から一転。
努力はひどく驚いた顔で叫ぶ。

「どうしてですか!?」

どうしてって当たり前だろ。

「確実にらっきょを食べる羽目になるからだ。
だいたい、僕のらっきょ嫌いはお前には関係ないだろ?放っておいてくれ」

我ながら小学生みたいな言い分だと思うが、これは絶対的真実だ。
《僕のらっきょ嫌いは努力には関係ない》

「関係なくないです!」

絶対的真実はいとも簡単に否定された。

「だって、変身道具が嫌いな食べ物だなんて、辛いじゃないですか!」

・・・・・・それのどこにお前との関係性があるんだよ。

僕はツッコミたいが、努力は間を置かず話し続ける。

「師匠、実はですね、らっきょ嫌いを治す方法を勝利兄さんと友情兄さんに相談したら、民間療法を教えてくれたのです!
この方法なら、らっきょを見るだけでよだれの出る、らっきょ無しでは生きられない身体になれるそうですよ!」

「それはそれで問題だろ」

世直しマンの城で、らっきょ漬けビンを持っていたみっちゃんにヤバイ顔で迫ったことは記憶に新しい。
素であんな状態になったら人生終りだ。
思い出したら頭痛くなってきた。

「あ、師匠!私はこっちの道から帰るので」

「え?」

唐突に、努力が二手に別れる道の一方を指差した。
その道はいつも通らない道。延長線にはスーパー。

「オリーブオイルやらっきょを買わなくてはならないので。それでは師匠、また明日に!」

「まてこら。まだ行くとは言ってないぞ!?」

僕の声に、努力は一歩前に踏み出た体を振り返らせた。
そうして、僕を正面から見つめる。

「さっきも言ったけど、僕のらっきょ嫌いはお前には関係ないだろ?」

そう続けると、努力は首を振った。

「さっきも言いましたけど、関係あります」

ちょっとだけ困ったような顔で微笑んで、言葉を確かめるように、はっきりと言う。

「師匠が辛いと、私も辛いです」

友達として。
師弟として。
それ以上の気持ちがないことは解っているが、こうもダイレクトに好意を剥き出しにできることに呆れてしまう。
そう。僕は呆れているから、言葉が上手く出てこないんだ。

「耳が赤いですよ?師匠、寒いんですか?」

「うるせえ!」

吐き出すように叫ぶ。
すると、喉のつっかえがなくなり、なんとか喋れるようになった。
ので僕は云う。

「わかったよ。行けばいいんだろ、行けば」

仕方なく。嫌々に。
眉間にはしわ。ため息交じりに。
それでも努力は。

「・・・・・・はい!」

と、はち切れんばかりの笑顔で頷いた。
この笑顔をないがしろにするってことは、僕には贅沢すぎることなのかもしれない。

「・・・・・・ありがとな」

僕は一応、礼を告げた。
努力には聞こえない声でだけど。

***

それにしても。

「オリーブオイルとか言ってたけど、努力はどんな料理を作る気なんだろう・・・・・・」

翌日、僕は公園に向かいながら呟いていた。
実のところ、僕がらっきょ嫌いなのは味覚ではなくあのきゅうきゅうとした歯応えにある。
だから、いくらおいしいらっきょ料理を作ってもらったって意味はない。
それを努力に言わなかったのは、また新たなスイッチを押してしまうのはごめんだからだ。
そう。これかららっきょ料理を食べれば、全て平穏に終了する。
刻まれてたら普通に食って、そのまんまだったら、変身する時みたいに噛まずに丸のみして、適当に美味かったって言えばいい。

――と、ちょうど自己完結したところで公園に着いた。
日曜日だからか、子供たちが元気に走り回っている。
僕はその脇を通り抜け、奥へと進む。
子供の姿が消え、歓声だけが遠くから聞こえる。

「師匠!待ってました!」

人気のない公園の奥に設置されているテント。
その横に、努力はいた。

「ささ、どうぞ中に入ってください!」

やる気満々といった具合で、生き生きとしている。

「なんか・・・・・・随分張り切ってんのな」

僕はたじろぎながらも靴を脱ぎ、努力の巻くってくれた入り口をくぐり、中に入る。
努力もあとに続き、

「師匠の役に立てるだなんて、滅多にあることではないですからね!今までの恩返しと思って、精一杯やらせていただきます」

と言った。

「・・・・・・お前は本当に師匠の思いの奴だよ」

僕は肩をすくめ、「どっこらしょ」とあぐらをかく。
下には透明なビニールシート。
あれ?
いつもはこんなのひいてなかったよな?

「遠足みたいだな。どうしたんだ?これ」

「はい!汚れないようにと勝利兄さんがくれました」

努力は僕の正面で正座をしながら言う。傍らには、らっきょの入った瓶と、オリーブオイルの入ったお洒落で細長い瓶。
そしてそのオリーブオイルの瓶を手に取り、

「さあ師匠!下半身を露出させて四つんばいになってください!」

と。

と?

「あ、あーすまん努力。聞き間違えたみたいだ。もう一回頼む」

「はい!下半身を、露出させて、四つんばいに、なって、ください!」

努力は今しがた聞いた言葉を、はきはきと区切りながら笑顔で言った。

「らっきょを、尻穴に入れるのです」

ご丁寧に補足付き。

「・・・・・・努力。そうすれば、らっきょが嫌いが治るって勝利と友情が言ったんだな?」

「はい!」

「んなわけあるかぁ!!」

たまらず僕は叫んだ。

「いいか努力!お前は騙されている!からかわれている!遊ばれている!」

そんなことでらっきょ好きになれるかってんだ。

「私も、初めてこの民間療法を聞かされた時はそう思いました」

腕を組み、目を閉じりながらうんうんと頷く努力。
なんで僕が坊や扱いをされなきゃならないんだ。

「私も、そんなわけないじゃないですかと兄さん達に詰め寄りましたよ?
そうしたら、
『体の内部にらっきょエキスを馴染ませっと、体がその味に慣れるんだよ。
これは、嫌いな食いもんを好きになる昔からの方法だ。
ほら、風邪のときはネギをケツに刺すだろ?額にゃうめぼし貼ったりすんだろ?
そういうのと同じで、信じられねーだろうが、民間療法ってのは素人目にゃあ不可解の塊なんだよ』
と教えてくれました!
師匠、民間療法、もとい、昔の人の言うことはよく当たるものです!」

そんなんで納得すんなよ。
っていうか、民間療法に謝れ。

「あと、こうも言っていました。
『だから、たくさんらっきょを洋一のケツに入れてやれな?ひゃははははっ!』」

「笑ってんじゃん!超悪魔的に笑ってんじゃん!」

「勝利兄さんはいつもそんな笑い方ですよ?」

常日頃から悪だくみばっか考えているからだ!

「そして、友情兄さんはこうも言っていました」

努力はしゅるりと黒帯をほどき、僕を意図的に見つめた。

「『プライドから、お尻に食物を入れることに洋一は抵抗をするかもしれない。でも、洋一のことを大切に想うのなら、心を鬼にするのが真の友・・・・・・・情、だ・・・・・・よっ、ぷっ、あはっ、あははは!』と!」

「堪えきれず笑ってんじゃんねーか!」

「そうですね。私と師匠の友情に感極まって笑みが溢れてしまったみたいです」

「勝利も友情もただの愉快犯なのに、どこをどうやったらそんな風に受け止められるんだよ!」

善のかたまり。
お人好しにもほどがある。

「そんなわけで、師匠――」

「いやだああああ!」

僕は逃げようとしたが、呆気なく捕獲された。
暴れたにもかかわらず、背中側に腕を黒帯で拘束され、うつ伏せ状態。
僕は弱い。あきれるほどに。
努力はそんな僕の腰にまたがり、顔をのぞき込んで笑う。

「本気で嫌なら、逃げられたでしょ?」

「本気で嫌がった結果がこの様だよ」

僕は弱い。
僕は弱い。
僕は弱い。
なのに、
僕は強いと、信じて疑わない努力。

「もー何を言っているんですか師匠。師匠が本気を出したら、私なんかが敵うはずないじゃないですか。
師匠は、らっきょ嫌いを治したいからこうして捕まってくれたのでしょう?
・・・・・・でも、何か心に引っ掛かっていることがあるから、完全には頷いてくれない、そういうことですよね?」

もしも、《僕が弱い》ことを知る時がきたら、努力は僕のことをどう思うのだろう。
ずっしりと胸の辺りが重くなる。

「・・・・・・お前は嫌じゃないのかよ」

僕は、僕の威厳を保ったままこの事態を回避することにした。
全てを、努力のせいにしてしまえ。

「だって、僕の尻の穴にお前がらっきょ入れるんだぜ?汚いし、気持ちわりいだろ?
仮に僕が良いとしても、お前が嫌だろ?」

「いいえ。まったく」

「即答する前に少しは想像力を働かせろ!」

「想像するよりこっちの方が早いです」

努力は僕に跨ったまま、ずりずりと腰から膝裏に移動した。
そしてずるりと、

「ぎゃああああ!!!」

僕のズボンを剥き、尻を丸出しにさせた。

「・・・・・・やっぱり。
実物を見ても、嫌悪感は一切ありません」

「死ね!見るな!目ぇつむったまま即死しろ!」

動揺して早口に罵詈雑言を浴びせるが、舌が上手く回らず、努力には聞き取れていないよう。

「そうですか!そんなに喜んでもらえて何よりです」

とか言ってるし。

「師匠、まずは私の指でオリーブオイルを中になじませますね」

とか言ってるし!

「ばかっやめっえ・・・・・・ひいっ!!」

ぬちゅっぬちゅっと。
努力の指が、尻の穴の中に出たり入ったりをゆっくり繰り返す。
最初は気持ちの悪い違和感でしかなかったが――

「ふっ・・・・・・うっ・・・・・・」

もどかしい甘い痺れに変わるのに、そう時間はかからなかった。
努力の指で肉壁を掻かれるたび、切なげなため息が勝手に生まれる。
まるで自分の声じゃないみたい。恥ずかしくって逃げ出したい。

「師匠の中、だいぶ柔らかくなってきましたよ!」

その反対に、努力は場違いなほどカラッとした調子で実況を告げる。
そして僕の尻の中でぐるりと円を描き、役目を終えたであろう指を抜いた。

「ふぁっ・・・・・・」

空になった尻穴。
それが普通の状態なのに、物足りない。

「ひくひくしてますよ、師匠の肛門。開いたり閉じたり、見ていて面白いです」

自分の痴体と努力の顔が見えないことが救いに思えた。

「・・・・・・もう、さっさとやって、さっさと終わらせてくれ・・・・・・」

努力というより、僕は自分自身に言い聞かせるためにそう言った。
選ぶ道が一つしかなく、その道に不満があるのなら、駆け抜けるしかない。

「はい!それでは、らっきょを入れますねー」

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