その他版権小説
□僕の妹がこんなに病んでるわけがない
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【障害は無くそう!】
雛子
***
「うわぁ〜かわいい〜!」
雛子はぬいぐるみが大好きな女の子。
ある日、ママとお出掛けをしていると、大きなひよこのぬいぐるみが雛子の目に止まりました。
「ねえママ〜、この子買って〜」
「ぬいぐるみなら、もう持っているでしょう?」
ママは雛子の腕の中のクマのぬいぐるみ、くーちゃんを見て言いました。
「ぶー」
雛子は頬を膨らませましたが、ママはちっとも気にしません。そして雛子の手を引き、ひよこのぬいぐるみの前を通り過ぎました。
***
次の日、雛子はクマのくーちゃんの四肢を引き千切り、近所の犬小屋に放り込みました。
***
次の日。
ママはひよこのぬいぐるみを雛子に買い与えました。雛子は、ひよこのぬいぐるみにピヨちゃんと名付けました。
***
「お兄たま。今度の日曜日、ヒナと遊べる?」
「ごめんね雛子。その日は他の妹と先約があるんだ」
「じゃあその次の次の日曜日は?」
「う・・・・・・。その日も他の妹と。・・・・・・本当、ごめんね」
兄は心の底の底から申し訳なさそうに謝りました。
雛子にも兄の誠意はきちんと伝わりましたので、ぶーと頬を膨らませはしましたが、文句は言いませんでした。
そして次の日。
「くしししし」
雛子以外の妹の惨殺死体と、その中央で全身に血を浴びている雛子が兄によって発見されました。
「お兄たま、これで一緒に遊べるね」
雛子は新しく始まるこれからの日々を思い、無邪気に微笑みました。
終わり
→次の妹の話