夢御伽
□Death*Killer
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No one know it…
━━誰モソレヲ知ラナイ.
暗い暗い闇の中、
アタシはそこに光を見付けた。
【光と闇の狭間で。】
或る処に一人の少女がいました。
少女はいつも一人です。
少女は沢山の死を知っていました。
少女は沢山の血を浴びて育ったのです。
少女の家は殺し屋でした。
少女もまた、多くの命を奪ってきたのです。
少女は“ともだち”という言葉を知りません。
殺し屋にとって、そんな言葉は必要の無いものだからです。
しかしある時、少女は友達という言葉を知りました。
少女は云います。
「私に友達は要らない。」
その言葉はとても冷たく、まるで氷の様でした。すると突然、誰も居ない筈の木の蔭から声がしたのです。
『僕の友達になってくれませんか?』
それは小さな男の子でした。
少女はそんな男の子にも冷たく接します。
「死にたいのか?」
けれど男の子は笑っています。それはそれは綺麗な笑顔でした。男の子はそのままゆっくりと頭を振ります。
「僕は死なない。だってもう、死んでるから。」
「なら早く成仏しなよ、」
決して表情の変わらない少女を、悲しそうな眼で男の子は見つめます。
「だって、寂しそうな眼をしていたから」
その日から、男の子は少女に寄り添っているようになりました。
そんな男の子を本気で殺してしまおうかとも思います。
ですが彼女は、男の子を傍に置いておく事にしました。
自分に無いものを持った男の子を。
それが何かを知る為に。
だから少女は、
一緒にゆく事にしたのです。