dream3

□「愛」を囁いた
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「ユーウッ!」



ユウの部屋に顔を出すと、ユウはもう布団に横になり本を読んでいた。



「何読んでるの?」

「なんでもいいだろ。」

「見せて見せてー。」

「おまっ…布団に入ってくんじゃねぇ!!!!」


のそのそっとユウの布団に潜り込んで本に目を通したけど、内容はさっぱり。



「何これ…英語じゃん。全然わかんない。」

「はっ。お前こんなんも読めねぇのかよ。」

「わかんないよ!英語読めないもん!」



つまらん、と呟いて、はぁ〜と溜め息をつく。ユウは私に背中を向けて、また本を読み始める。


ふと時計を見ると、時刻は23時57分。あぁ…もうすぐだ。




「…ねぇ、ユウ。」

「…なんだ。」

「ユウがうちにきてから、もう一年経つね。」

「……。」

「お母さんがいきなり再婚するって言い出したときはビックリしたよ。しかも相手は私と同い年の子持ち。」

「…あぁ。」

「ユウと始めて会った時、女の子かと思った。」

「死ね。」

「あはっ。…そう、丁度去年のこの日。だから去年はバタバタしてて何も出来なかったね。」

「…?なんの話だ?」

「だから今年は、一番に言いたくて。」

「だからお前、なんの話「ユウ。こっち向いて?」




本を片手に振り向いたユウ。その頬に、そっとキス。



途端に、カチッと時計の針が12時を指した。
驚き、私をみて顔を赤くしたユウに、飛びっきりの笑顔で伝える。







「誕生日おめでとう。生まれて来てくれてありがとう。ユウ、愛してるよ!





…って…うわ!!」




いきなりユウは、がばっと私の頭を胸板に押し付けてきて。
パニックな私の耳元で小さくこう呟いた。







「お前…こんなことして、覚悟できてんだろうな?」

「は?」












「愛」を囁いた












「今夜は部屋、返さねぇからな…。」

「えっ…ちょっと…ユウ?!」











(来年も、そのまた来年も)
(一番に囁く、愛の言葉)










神田ハピバ!
ツンデレな君が愛しくてたまらない。

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