dream2

□体温が伝わる程に
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「寒い、ね。」

「そうだな…。」



下校中、雪の降り積もった道を歩く。
隣には、夏目君。




「夏目君。」

「なんだ?」

「手、冷たくない?」

「うーん…少し。」




雪についた、先に歩いた誰かの足跡の上をそのまま歩く。
二人の間に会話は少ない。
隣にいるはずなのに、どこか遠い存在。
ちょっと目を離したら消えてしまいそうな儚さ。







…まぁ、夏目君のそんなところに引かれたのも事実なんだけども。


多分私たちは、付き合っているんだと思う。
だってまだ雪の降る前に、「好きかも。」って言ったら「俺も、好きだよ。」っていつものあの嘘くさい笑顔で言われたし。
それから何かと一緒に帰ったりしてるし。


でも…それだけ。







いつも通りの無言の帰り道。
夏目君の顔は見えない。

…あれ、なんか泣きそう。












「手。」




突然夏目君が声をかけてきて。
まぁ隣にいるんだから普通っちゃ普通なんだけど。
てゆーか…



「手…?」

「うん。冷たいんだろ?」




恐る恐る右手を差し出すと、夏目君の左手が私の手をぎゅっと包みこんできた。



「冷たい手…だな。」

「…夏目君の手は暖かいね。」



そう言って夏目君のほうを見たら、彼の顔は真っ赤で。
気付いてこっちをチラッと見たから笑いかけたら、耳まで赤くなった。



「夏目…君?」

「……//何…?」







「…なんでもない、よ//」










体温が伝わる程に













(いつも通りの帰り道)
(今日は少しだけ、暑い)










はがゆいー、
でも夏目はこんくらいがいい

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