dream3

□Good night baby…
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「ロイッ…ちょっと待っ…。」

「………。」

「ねぇ…もう夜中だよ…。明日も仕事でしょ?」

「………。」






彼の。
最愛の彼の親友が死んだ。

軍に属さない私は、詳しいことは聞いていない。ただ何度か会ったことがあるその人は、家族の話しばかりする、とても優しそうな人だった。





優しい人、だった。





「やだっ…ロイ。」

「………。」

「ねぇ私疲れて…っっ…!」

「………。」



葬式から帰ってきたロイは、軍服を脱ぐなりすぐに私を抱いた。今までで一番強く、激しく。
ロイはその日から毎日、酷いときは一日に数回、昼夜関係なく私を抱くようになった。言葉は交わさなかった。一方的な行為に困惑していた私だったが、ロイの気持ちを考えると本気で拒否することも出来なかった。

そして今日は普通に寝たかと思ったら、夜中にいきなり起きて私を抱こうとする。
突然思い出した何かを、掻き消すように。




「ロッ…イ…。んっ…!」


喋ろうとしたら唇で唇を塞がれ、苦しくて涙が出た。それでも行為は止まらず、全てが終わったのは夜中の三時をまわった頃だった。

くたくたになった私は、ロイの腕の中で眠りにつきかけていた。ロイは寝てしまっただろうか。








「…ロイ?起きてる?」

「……あぁ。」



「ロイあのね、私「すまない…。」



突然の謝罪に驚いた。


「わかっているんだ…。君を抱いてもどうにもならない。」

「ロイ…。」

「でも毎日気を張って仕事をして、帰ってくるとからっぽで…この手で掴んだと思っていたものが、スルスルと抜けていく気がして…。」





わかっていた。
いつもロイが足りない何かを埋めるために、私を抱いていたこと。
でも、埋めても埋めてもそれは幻想でしかないことも。

不意にロイへの愛しさが増し、彼の白い頬に触れた。
こっちを向いたロイは、少し微笑んで私の手を包み込む。しかしその笑顔はどこか切なげだった。




「君は…私の手の中に、しっかりいるかな。」

「いるよ。私はどこにも行かないで、ずっとロイの隣にいる。」

「…そうか。心強いな。」


そう言って笑ったロイ。久しぶりの笑顔に、私の顔もつられてほころぶ。



「あ、でもそろそろ体がもたないかも…。」

「………控える努力はしよう。彼女が魅力的すぎるというのも問題だな。」

「からかってるの?」

「まさか。」






そうして私の頭を撫でる手。何故か涙が溢れた。
いなくなってしまいそうなのはロイ、貴方のほうだよ。





触れるだけのキスをして、目を閉じた。
静かな眠りにつく前に、私は願う。










Good night baby…







(今にも壊れそうな貴方)
(今日は良い夢がみられますように、)






ロイで切ないの初めてだ。
DVDも丁度今(09.10.30現在)、このあたりなので。

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