dream3
□CL 2
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そして歯車は
回り始める
Crooked Love
「だーかーらー!!ほんとにいたんだって!!」
「わかりましたって。」
「その反応は信じてないさ!!まじ!!俺は天使を見た!!」
帰りのHRが始まる前、教室に戻った俺はクラスメートのアレンに先程の出来事を一部始終話した。
「だって空から落ちてきたんだぜ?しかもめちゃくちゃ可愛かった!」
「天使は人を殴りません。」
「それは〜…きっとビックリしたんさ!」
「僕もラビの頭の中にビックリです。ビックリしたので殴っていいですか。」「拒否します。」
結局最後まで信じてもらえず、いじけてみたけどそれもシカトされた。
アレンといい、クラスメートの神田といい。何故俺の回りは、こう冷たいやつばかりなのだろうか。
…それにしても。
自分の席についてからもまた、先程のことを思い出す。
一度見たものは必ず忘れない俺は、突然だったとはいえ勿論あの子顔も忘れてはいなかった。
しかし、ウトウトしていたことも事実。
やはりあれは…夢だったのか。
ガラッ
担任のオッサンが教室に入ってきた。四方八方に散らばっていた生徒達は、またたくまに自分の席へと戻っていく。
ボーっとしていると、担任と目があった。
「おいラビ、お前また授業に出なかったようだな。」
「いやー、眠たくてつい。」
「そんな言い訳が社会に出てから通用すると思っているのか!全く…しっかりしてくれ。転校生にもこんなんばっかだと思われては敵わないからな。」
「転校…生?」
その一言で、教室は一気にどよめいた。しかし担任は大声で説明を始める。
「えー、この教室にクラスメートが一人増えることになった!本当は朝紹介するはずだったんだが到着が遅れてな。慣れない環境で大変なことがたくさんあると思うから、みんな協力してサポートしてやろうな。さぁ、入って!」
担任が廊下のほうに手招きすると、その転校生とやらが静かになった教室に入ってきた。
始めに目についたのはサラサラとなびく、長い髪。次に綺麗な白い脚。最後に…
「あっ…、」
目鼻立ちの整った、見覚えのある顔。
それはさっき見た…
「さっきの天使!!!」
思わず叫んだ俺に、クラス中の視線が集まった。
奇跡の再開
(その瞬間、天使の顔が少し歪んだ気がするのは)
(気のせいではなかった)
*