dream3

□CL 2
1ページ/1ページ



そして歯車は
回り始める






Crooked Love








「だーかーらー!!ほんとにいたんだって!!」

「わかりましたって。」

「その反応は信じてないさ!!まじ!!俺は天使を見た!!」





帰りのHRが始まる前、教室に戻った俺はクラスメートのアレンに先程の出来事を一部始終話した。


「だって空から落ちてきたんだぜ?しかもめちゃくちゃ可愛かった!」

「天使は人を殴りません。」

「それは〜…きっとビックリしたんさ!」

「僕もラビの頭の中にビックリです。ビックリしたので殴っていいですか。」「拒否します。」


結局最後まで信じてもらえず、いじけてみたけどそれもシカトされた。
アレンといい、クラスメートの神田といい。何故俺の回りは、こう冷たいやつばかりなのだろうか。






…それにしても。

自分の席についてからもまた、先程のことを思い出す。
一度見たものは必ず忘れない俺は、突然だったとはいえ勿論あの子顔も忘れてはいなかった。
しかし、ウトウトしていたことも事実。



やはりあれは…夢だったのか。








ガラッ



担任のオッサンが教室に入ってきた。四方八方に散らばっていた生徒達は、またたくまに自分の席へと戻っていく。
ボーっとしていると、担任と目があった。


「おいラビ、お前また授業に出なかったようだな。」

「いやー、眠たくてつい。」

「そんな言い訳が社会に出てから通用すると思っているのか!全く…しっかりしてくれ。転校生にもこんなんばっかだと思われては敵わないからな。」

「転校…生?」



その一言で、教室は一気にどよめいた。しかし担任は大声で説明を始める。


「えー、この教室にクラスメートが一人増えることになった!本当は朝紹介するはずだったんだが到着が遅れてな。慣れない環境で大変なことがたくさんあると思うから、みんな協力してサポートしてやろうな。さぁ、入って!」


担任が廊下のほうに手招きすると、その転校生とやらが静かになった教室に入ってきた。

始めに目についたのはサラサラとなびく、長い髪。次に綺麗な白い脚。最後に…




「あっ…、」


目鼻立ちの整った、見覚えのある顔。
それはさっき見た…






「さっきの天使!!!」


思わず叫んだ俺に、クラス中の視線が集まった。







奇跡の再開




(その瞬間、天使の顔が少し歪んだ気がするのは)
(気のせいではなかった)





*

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ