NOVEL


□バレンタイン
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気が付けば、すでに2月14日は過ぎてしまっていた。
ここ約5ヶ月ほど恭弥に会えていない.....。
そう思いながらディーノは自分の携帯と睨み合っていた時‥‥‥今、自分が想っていた人から電話がかかってきた。
「もし‥‥もし‥。」
驚きつつも電話に出ると、いつもの口調で
「ねぇ‥‥もう仕事は終わったの?」
また、単刀直入な質問だな、そう思いつつもディーノは恭弥から電話をもらえた事が嬉しくて、いすから立ち上がった。
「あぁ‥‥もうほとんど終わったよ‥‥‥なんか‥‥ゴメンな、恭弥」
「‥‥何が??」
一応はあやまってみたが恭弥の返事はあまりにもあっさりとしていた。
というか、自分の謝り方が変だった事に気付き言いなおした。
「いや‥‥だから、その‥‥バレンタインに日本にってか、恭弥に会いに行けなくてって事だよ。」
「あぁ‥‥バレンタイン??別に僕はそんなのどうでもいいよ‥‥」
予想通りの返事が返って来たが‥‥こんなにも長い間離れると予想外の事もおこるのだということをディーノは知った。
「ただ‥‥」
「??‥‥ただ‥‥どうしたんだ恭弥??」
「ただ‥‥たった5ヶ月会えないだけなのに、あなたに会えないと5ヶ月が長く感じると思って‥‥」
「えっ??恭‥‥弥‥‥‥それって」
「二度も言わせないでよ!!だから、早くあなたに会いたいって言ってるの」
二回も聞き返すと逆ギレさせてしまったが‥‥そんなことはもうディーノにとっては、どうでもよかった。恭弥から電話してくるのも珍しいのに、こんな言葉まで恭弥の口から聞けたのだから‥‥。そして‥‥‥
「ねぇ‥それで、あなたは今度はいつ日本に来れるの??」
「んっ??あぁ‥‥今すぐにでも会いに行きたいけど‥‥‥あと一ヶ月ぐらいしたらかな、何かほしいチョコあるか?」
「僕は‥‥甘い物はいらない‥‥‥でもせっかくだからね、高いチョコがいい‥‥それともう一つ‥‥‥」
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