Light&Darkness
□第二章
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町の入り口を飾る、豪華な門を潜り抜けると、一番最初に、広い大通りが目に入った。
道の左右にはぎっしりと、露店が並んでいる。
そのいたる所から、威勢のいい売り文句が聞こえていた。
「いらっしゃーい。セレス名物キルカ、お一つどうだい?」
「今朝とりたての果物野菜、安くするよー」
…キルカとは、小麦粉をといた生地に、肉、野菜などを包んだ、セレス特有の食べ物だ。
「あーおいしそー。ねぇねぇあれ、後で食べよう!」
「もう、ミーシャったら…手紙届けた後でね?」
「やったぁ!」
スキップしながら先を歩いているミーシャを見ながら、セシルはふっと微笑んだ。
…やっぱりミーシャといる時が、一番楽しい。
昔、何故性格がま逆の二人が、いつも一緒にいるのか、と聞かれた事がある。
実は、その問いの答えを、セシルは持ってはいない。
唯、居たいからいる。それだけだ。
私はミーシャの事が、好きなんだわ。
今も昔も、これからも。
「ミーシャ、待ってよー!」
どんどん先へ歩いていく彼女を、あわてて追いかけた。