過去拍手小話

□厳しい人
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『厳しい人』


今日も今日とて潜入捜査の打ち合わせで俺、山崎 退は局長室に来ている。
正座する俺の前にはあぐらをかいて書類に目を通す局長とその横にはお馴染み鬼の副長がいた。


「…で今回は、この人数で足りるわけ?監察方は。」

「え?いや…そうですね。出来ればもう2人位いると助かるかな〜って。
ただでさえ連絡係とか変装出来る人間が少ないですし…。」

仕事内容を尋ねてきた局長に俺はここぞとばかりに自分のチームの人材不足をアピールした。

「甘えた事抜かしてんじゃねーぞ!どこも人手不足なんだよっ。この人数で何とかしろっ!」

予想していた副長の怒号だったけど、思わずうな垂れる俺に、局長は、困ったように眉尻を下げた。

「まぁまぁ、トシ。」

と局長が宥めると副長はとたんに大人しくなり、俺からフイッと視線を外した。

「本当に少人数で回してもらってすまないなぁ、山崎。でもこう見えて一応監察を優先に人材募集かけてくれているんだぞ。コイツ。」

「えっ!そうなんですか?」

心底驚いて目を丸くして副長を見たが、明後日の方向に煙を吹いていて、その表情は分からなかった。

「でも なかなか条件に合ったのがいないんだよな〜。
まぁ、監察なんて、余程信用のおける奴じゃないと無理だしな…。」

「信用のおける…」というその言葉に内心俺は気を良くする。


そっか…。副長…普段は、厳しいけど何だかんだ言って俺達の事よく考えてる人なんだよな。
そして相変わらず局長は優しい…。


「よし!じゃあこうしよう。今回の件は、十番隊から一人、一番隊から臨時補充。人材は、山崎が適任を選んでくれ!」

「局長〜〜っ!!」

そのありがたい言葉に俺は思わず拝むポーズをする。

副長は「近藤さんは甘いな…」とぼやいたが反論しない所をみるとどうやらその提案を受け入れるようだ。

ああ、良かった。これで今回の攘夷志士の潜伏調査はスムーズになる。

「ただし条件がある。」

「へ?」

近藤さんが突然大きな声で出したので俺は思わずマヌケな声を上げた。




「絶対死ぬなよ!」




俺に物騒な忠告する彼の顔は、ニコニコとした笑顔。

真選組で危険度の高い仕事をする自分にそんな事を言うなんて…。




「はい!山崎 退 無事任務を終えて必ず帰ります。」

もしかしたら、もしかしなくても。

真選組一厳しい人かもしれない人物に、俺は背筋を伸ばして、そう返事をした。



 -END-



(相変わらず文章読みにくくてスミマセン。土方さんは言う事は厳しいケド、実は優しい。近藤さんは全面的に優しいんだけど、いざという時に厳しいといいなと思って書きました。)

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