過去拍手小話

□ゴリラと肉まん
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『ゴリラと肉まん』

「いいな〜。俺にも肉まん頂戴!」

「これ一個しかないからダメ!ってか
何で俺がお前に食いモン施さなきゃいけねぇんだよ!」

近藤はもっともなツッコミを入れる。


ジャンプを買いに行った帰りの夜道、偶然あのゴリラに会った。

どうやら奴も今 コンビニに立ち寄ってきたようで手にはホカホカの肉まんが一つあった。

それを俺が見逃すはずがない。


「銀さんの一生のお願〜い!」

「変な声だすな!ったく、気色悪い…。」

ブツブツと文句を言いながら近藤は仕方がないなという顔で自分の肉まんは半分に割った。
そして大きさが不平等で割れた肉まんの明らかに大きい方を俺に差し出した。

「ほれ!半分だけだからな!」

「おうっ!サンキュー!」

俺はそれを受け取ってすぐさま口に頬張る。
たかが肉まんだけど…こんな所からアイツのお人好しが伝わって、思わず苦笑してしまう。

(こりゃ多串君や総一郎君が心配するのも分かるね〜。)

俺は肉まんを噛みしめながらそう思った。





 -END-

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