まほらばSS

□2回目のかくれんぼ
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「ということで、今回も前回同様、ハイドアンドシーク!かくれんぼでーす!」
「…はい?どうゆうことですか桃乃さん!?」
「だーかーらー!今回も鬼は白鳥君ってことでいいわよね。見つけたら大声で宣言よろしく!」
「はいっ!?何ですかそれ!?」
「じゃあゲームスタートだわよ!皆の者、隠れろー!」
「おー!」「今度は勝つゼー!」「おー…」
「え?ちょ、ちょっと皆さーん!?」


と、これがついさっきの事だったわけで、僕は今、玄関で5分待機することになっている。
断ろうともおもったけれど、梢ちゃんの笑顔を見た僕は断りきれず、ただ呆然と皆が隠れるのを待つことにした。
今回こそ必ず勝って、せめて今日だけでも宴会を阻止せねばならない。今から一時間前、銀先生に
「今回はちゃんと出すように」と念を押されたばかりだ。出さないと大変な目に会うのは授業前に連行された
翼君を見れば分かることだ。


ジリリリリ!


5分経過の目覚ましだ。急いで止めて、僕は再びこの戦いに挑む。
まずは前回泣かされたカモフラ柱をチェックする。今回ばかりはあのような仕掛けをも見抜かなければ
とんでもないことになるので、入念にチェックする。しかしカモフラ柱及び廊下には誰も居なかった。
…縁の下に沙代子さんはいたけど。やっぱりあの人は何を考えているのか分からない。

次に台所。
入る直前、確実に声がしたので慎重に扉を開ける。
「ここには誰でも入れるから誰が居るか分からないな…。」
そう考えつつ、まずはテーブルの下を確認する。身を屈め、テーブルの下を確認すると、珍しくゴミが落ちていた。
梢ちゃんの拾い忘れかと思い手を伸ばし、掴んだその時。
「白鳥さん、何やってるですか〜?」
珠実ちゃんの声だ。足が見えている。僕は最強の彼女を見つけた喜びから思わず立ち上がって、

「珠実ちゃん、みt」


ゴンッ!


「やっぱり白鳥さんはマヌケですね〜。こんな簡単な罠に掛かるなんて〜。」
テーブルの下だということを忘れていた…どうやら僕を気絶させる作戦だったらしい。
意識が遠のいてゆく…彼女が近づいて…何を…
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