作品台本

□マジカル☆ラビリンス 第1話・中編(全10P)
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 * アスカ、渡羽の家を見上げる


アスカ 「ここがあなたの家? ちっちゃーい。まるで庶民の家みたーい」

渡羽「まぁ…庶民といえば庶民ですけど…」

アスカ 「あ。ねぇ、これ何?」

渡羽「それは俺が作った花壇ですよ」

アスカ 「これ、全部一人で作ったの!?」

渡羽「(照れながら)ええ、まあ。俺、花が好きですから…」

アスカ 「すっごーい。あたしにはマネできないなー」

ティアラ「姫様は細かいことが苦手ですからね。一生、ムリでしょうねー」

アスカ 「一生って何よ、失礼ねー!」

渡羽「アスカさんたち、ケンカはやめて下さい。あと、花壇に気をつけて――」

アスカ 「ねえ、あたしのことはアスカでいいよ。『さん』付けされるのヤなのよね」

渡羽「すみません。じゃあ、今度からはそう呼ばせてもらいます」

アスカ 「あたしは同じ名前だとややこしいから『渡羽』って呼ぶわね。ところで、渡羽はティアラが見えるのよね?」

渡羽「うっすらとですけど…」

アスカ 「OK。あのね、突然だけど、あたし本当は人間じゃないの。魔法使いなのよ」

渡羽「ええっ?」

アスカ 「証拠、見せてあげる。
   大気よ、我を包め。我が意志のままに、浮遊せよ! フロウ!」


 * アスカ、宙に浮く


渡羽「ア、アスカさん? う、浮いてますよ!?」

アスカ 「どお? すごいでしょ。でも、こんなの序の口よ。あたしが他にできるのは……ディサーパ!」

渡羽「うわっ、消えた! ど、どこにいるんですか!?」

アスカ 「ここよ☆」

渡羽「わあっ、急に後ろに出てこないで下さいっ」

アスカ 「あはは。ごめん、ごめん。あとは『ムーヴ』って言う、物を自在に動かす魔法くらいかな。この二つは呪文詠唱は必要ないんだよ」

渡羽「すごいですねー。そんなことができるんですか」

ティアラ「でも、これは基本中の基本ですから、魔法使いなら誰でもできるんですよ」

アスカ 「もう、余計なこと言わないでよ、ティアラ! せっかく渡羽にいいとこ見せてるのに!」

ティアラ「あああ、すみませんすみませんっ。もう口出ししませんから、首絞めないで下さい〜っ」

渡羽「アスカさん、そんなことしたらティアラさんが死んじゃいますよ!」
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