続き物

□20days-second time-
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ドドドドドドドッ──。


激しい地響き。
ベッドに腰掛けていた奏は、すぐにそれが誰のものかを悟る。


「おっ!やっと来た!」

そして、嬉しそうに笑いながら、読みかけの本をパタンと閉じる。


だんっ──。


部屋の前で轟音が止み、それと同時に勢いよくドアが開け放たれた。


「奏ェ!テメェ、何してくれんだ!!!」

怒鳴りつつ、部屋に飛び込んできたのは、翔太。
奏の予想通りの人物。


「あれ〜?翔ちゃん、何しに来たの?」

満面の笑みで問い掛ける奏。

「何しに来たの?じゃねぇよっ!しらばっくれんのもいい加減にしろよ?」

「え?何のことだか、奏、分かんなぁい。」

上目づかいで、最高に可愛い声を使って喋る。

「キャラ変わってんだよ!!」

だが、どう言おうとも翔太は流す気はないらしい。相変わらず、鬼のような形相で奏を睨んでいる。

「ちっ。心の小さい男は嫌われるわよ。」

「舌打ちしてんじゃねェ!てか、心は"小さい"っていわねぇよ、アホ!心は"狭い"だろうが!!」

「違うよ。翔ちゃんの場合は"小さい"なの!狭いだけじゃ足りないもん。」

「俺はどれだけ器の小さい人間なんだよっ!」


──コイツと関わると、どうしてこんなにも疲れるんだろう…。


ぼんやり、そう思いながら溜め息をついた。


「あの程度の悪戯で怒るなんて、充分器が小さい証拠ですぅ。」

口を尖らせながら反論する奏の言葉が引っ掛かった。


──"あの程度の悪戯"だと‥‥?


「人が寝てる間に顔にラクガキして、お見舞いに貰ったお菓子を全部勝手に食べつくすのは"あの程度"かァ!?」

「お菓子くらいいいじゃない。ケチケチしないの!減るわけじゃあるまいし。」

「減っとるわッ!!」

「ラクガキだって、洗えばとれるじゃん!」

「お前、これ見てみろよ。」

そう言って翔太が取り出したのは、一本のペン。


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