続き物
□20days-first time-
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今、俺は正座させられて、説教されてる。
病院の屋上で。
おそらく、十五かそこらの少女に。
「そりゃ、人生色々あるわ。楽しい事ばっかじゃない。でも、辛い事ばっかでもないでしょ?」
その細身の少女は、右手に握り拳をつくりながら力説する。
「いや…あの‥‥。」
少女の力説っぷりに押され、小声で話しかける。情け無いな‥‥俺。
「そう、人生はサバイバル!喰うか喰われるかの戦い!でも、それに勝ってこそ本当の幸せが手に入るの!!」
はい、俺の呼び掛け総無視。
というより、彼女は自分の世界に入りこんでいて声が聞こえていないようだ。
ふぅ、と小さく溜め息をつきながら、柵越しに遠くの町並みを見る。
今の俺はきっと、明後日どころか、一週間ぐらい遠くを見ているだろう。
そもそも、何故こんな状況になってしまったのか。
事の始まりは、今から二十分ほど前──。
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