小説

□永久不変恋愛熱中暴走少年
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「オレ…じゃなくてワタシをナンパして下さいっ!」

ふわふわロングのカツラとひらひらピンクのエプロンドレスに身を包み。

(なんでこんな事になっちゃったんだろ…)

やるしかないのだ。こうなった以上は…



『永久不変恋愛熱中暴走少年』



数時間前。


街に着いて早々ロニがいなくなった。
いつもの事なのだが、さすがに皆慣れたもので、

「お腹がすいたら戻って来るんじゃないかしら…」
「煩いのが減って好都合だ」
「バカにつける薬はないモンねぇ〜」

と、見事なマイペース御一行。

そんな中、見るからに不機嫌なお子サマがひとり。

カイル・デュナミス15歳。

「ったく…ロニ…」

ぶつくさ文句を言っていると、後ろから勢い良く背中を叩かれる。

「カ〜イル!嫉妬は見苦しいわよ☆」

「はッハロルド!違うって!!…ただロニって、そんなに女の人の方がいいのかなって…」

赤くなったと思えば青くなったり、全く山の天気並みの表情である。
それをふむふむと頷きながら実は楽しむハロルド。
そしておもむろにこう言い放ったのだった。

「じゃ、アンタがナンパされてくれば?」

「…エ?」
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