小説

□はじめての一歩
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「ご、ごめんなさい…」

地面にへたり込むリアラ。新雪のような肌はさらに蒼白する。

「リアラ!?」

「どうしちまったんだい!?…」

駆け寄るロニとナナリー。近くにいたジューダスは手首を摘んで脈を計る。おそらくは応急処置の経験があるのだろう、手際良く症状を看る。

「リアラ!大丈夫!?ねえ、ジューダス!リアラどうしたの!?」

慌てふためくカイルに襟を掴まれてガクガク揺さ振られる。
その手をなんなく払うと呆れたように口を開く。

「黙れ。落ち着いたらどうだ。」

「だってリアラ…」

「問題ない、疲労だろう。最近の戦闘続きに加え当初と比べると1日に歩く距離が倍以上になっているからな。
フン…長旅に慣れていない奴にはキツイかも知れん。」

独特で、キツイ言い回しに聞こえるが、一応心配しているジューダス。説明の何割が理解できているのやら、カイルは横を通ってナナリーに抱えられている少女を覗きこむ。
額に手をあてて、懸命に話し掛ける。

「大丈夫?つらい?」

「…心配いらないわ…ホントにちょっと疲れただけ…」

すうっと瞼を閉じると、小さな寝息がきこえる。大事には至らなそうだ。
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