小説
□教えてplease♪◆
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これじゃ一人で意識してる俺だけバカみたいじゃないか…
初めは皆一部屋ずつ割り振られていたのだが、悪天候で宿の需要が高まった為に店主から「できるだけ固まって宿泊してくれ」と頼まれてこうなってしまったのだ。
「ちぇ…居候のくせに態度でかいなあ」
幼なじみだし、元から一緒に暮らしてたのだから、ロニが俺の部屋に移動してきたのは当たり前の事で済まされた。
…のは良いんだけど。この間のコトもあるし、相部屋どころかベッドも一緒だなんてどうしたらいいのか。
「外は吹雪だし、もう寝ちまおうか!」
俺の気も知らないで背伸びをしながら、ロニはでっかい体で白いシーツの整えられたスプリングに身を放り投げた。
「…ι」
「なんだよ、オレと一緒なんてイヤだったのかよ?」
やっと動揺に気付いたのは良かったのだが、思いっきり方向を間違えて受け取っているのに悲しいような、腹が立つような、奇妙な感覚に襲われる。
「ったくよー、せっかくカイルと2人きりになれるんで喜んで来たてのによ〜」
いつの間にか体勢を戻してベッドの淵で腕を組みながら膨れているロニ。
(好きだから困ってるんだってば…)