りれーBOOK

□願い星
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遠い記憶・・・

幼いあたしは、願いがあったら、星に願ってた。

ずっとずっと・・・

お星様なら、叶えてくれる気がして・・・

だからね、キミも・・・

願ったら、この思い、届くのかなぁって。

思っちゃたんだ。

バカだよね・・・

いつまでも、このままでよかったのに。
神様のイタズラ。

ねぇ?この思い届いたのなら、

どうして、キミは悲しそうな顔するの?
神様、教えて下さい。

彼が涙を流す意味を・・・

あたしの思い、秘密にしておいた方がよかったのかな・・・?

愛おしいキミ。

でも、愛しいからこそ言わなかったらよかったんだ。

もぅ、遅いね・・・

願い星に言ってしまったから。

神様…神様…

時間を戻して下さい。

あたし、彼の笑顔が見たいんだ…

もう二度と、願い事は言わないから…

たとえ、あたしが代償でも。
キミの為なら、何でもできるよ…??

悲しくて、悲しくて。

淋しくて、淋しくて。

見上げた夜空は…

涙で滲む、後ろ姿を映し出した。

この夜空のはて。

キミと行けたなら…

嬉しくて、嬉しくて…

星のように、消えたキミは。
今も、あたしの中で生きている。

生きている。

遠く浮かぶキミの笑顔。

すごく、すごく遠くて…

“大好きだよ”

それだけがいいたいのに…

ねぇ…

この痛み、誰か分かって下さい…

苦しいよ…

愛しさは、時には刃物に変わるんだね。
あたしは、キミの隣にはいられないかもしれない。

せめて…

あたしの分も、強く生きて下さい。

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