†Wahiawa†
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Say good-by.【1】
杠くんと会えなくなってから半年…もう会えないのに消せずにいるアドレス。
何度、声が聞きたくて携帯のアドレスを見つめただろう。
あのまま忘れられると思ってたんだ。
真人との関係は続いていた。
相変わらず他の女の気配は消えないし、わたしは彼女なのかただのヤリ友なのかもハッキリしないまま。
離れたいと思うたびに、
『ありのままのオレでいられるのは蛍の前だけだ。』
と寂しそうに言われて関係を続けてしまう。
依存し、依存される空虚な関係。
―悪循環。
きっと真人はわたしの弱いトコを利用しているんだろう。
そして、そんな真人を利用している自分。
ある意味わたしという人間を1番理解しているのは真人かもしれない。
でもズルズルと続けている関係のなかでわたしの真人への気持ちはしぼんでいく一方だった。
会社帰りに真人といつものBARに寄る。
ここはわたし達が知り合ってからいつも待ち合わせに利用している店だった。
会社の人に会うコトもないし、薄暗い店内にカウンターとゆったりできるソファーが配置され周りを気にせず寛げる空間。
お酒を飲みながら真人を見るとなんだかいつもと様子が違った。
「どうしたの?真人なんか変だよ?」
「…。」
どうしたんだろ?
そういえば最近ちょっと変だったかも。
「真人?」
「…っああ。あのさ…」
真人らしくない歯切れの悪い口調に胸騒ぎを覚えた。
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