†Wahiawa†
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Break with.【1】
好きって気持ちには重さがあるんじゃないかな。
愛し合ってる恋人同士だって好きな気持ちが同じなんてありえない。
恋の天秤があるとしたらきっと付き合っているうえで日々、目盛りは変化している。
でも、わたしと真人の天秤はいつだってわたしの方に目盛りが振り切っていると思ってたんだ。
『最近メールくれないけどなんかあった? 杠』
あの夜からわたしは杠くんのメールに返信できずにいた。
「蛍、こっち空いてるよ〜!」
ランチ明けにコーヒーでも飲もうとラウンジに向かうと声をかけられた。
友達の座っているテーブルに向かうと数人のグループの中に真人と杠くんもいるのに気付く。
…なんか気まずい。
しかも空いてる席、杠くんの隣だ。υ
二人の視線を感じながら席に座る。
しばらく他の人達の話を聞いて笑っていたけど、そのうち明るい杠くんが全然喋ってないコトに気付いて視線を向けた。
「…!」
わたしを見ていたらしい杠くんと視線がぶつかる。
真っ直ぐな目を向けられたわたしは気まずさから視線を反らした瞬間、彼は声をかけてきた。
「最近、メールくれないね?」
その一言でその場の空気が止まった気がした。
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