†Lovё confusion†

□Lovё confusion.
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参考書に向けられる横顔を見ているだけで胸が詰まり切なさが込み上げる。
 
 
…好き。
 
 
良介先生と出会ってから半年。
日に日に募る想いにもう歯止めが効かなくなってきてるんだと思う。
 
いつも優しくて大人な良介先生。
家庭教師としての良介先生じゃなく、本人が欲しかった。
 
 
良介先生が彼氏だったらどうな感じだろう。
 
 
そんな事を考えてみたり。 
ペンを握る細く長い指に触れてみたいと思ったり。
 
初めて本気で好きと思える人に出逢ったわたしには全てが新鮮だった。
 
 
「雫ちゃん?」
「っ!!」
 
 
顔をあげた良介先生と目が合って思わず口ごもる。
問い掛けるような視線に見詰めていたのがバレたかと焦った。
 
 
「どうした?今の説明じゃわかりにくかったかな?」 
 
とんだ勘違い。
1人で勝手に焦った事が恥ずかしくなって顔が赤らんだわたしは慌てて首を振った。
 
 
「ううん!今ので大丈夫。ちょっとボケッとしちゃっただけ」
「ボケッとって…ハハッ、ならいいんだけど。じゃあもう1回説明するよ」
「うん。ごめんなさい」
 
 
焦ったぁ…。
見詰めてたのバレたかと思っちゃったよ。
 
 
ホッとしながらも、残念な気もした。
まるで全然意識されてない気がして。
 
 
中学生なんて恋愛対象じゃないの?
 
生徒じゃなくて1人の女の子として見てほしい。
 
 
最近のわたしはいつもこう。
頭の中は良介先生でいっぱい。
 
学校でも家でも。
良介先生が目の前にいる時でさえ。
勉強が手につかなくなるのも時間の問題。
 
それぐらいわたしの気持ちは限界点に近づいていた。 
 


 
2時間程の授業はいつもあっという間。
学校の授業はあんなに長く感じるのに。
 
 
良介先生、今日はうちでご飯食べてってくれるかな? 
 
たまに良介先生はうちでご飯を食べてく。
お母さんが独り暮らしを気遣ってしつこく勧めるせいもあるけど、良介先生も何回かに1度は食べて帰ってくれる。
 
時計を確認しながらソワソワしてるわたしの横で、良介先生が腕時計を見た。
 
 
「それじゃ、今日はここまでにしよっか」
「うん」
「次来る時はこの続きからやるから目を通しておいてね」
「良介先生っ」
 
 
.
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