【ガンダムOO/うたかた】

□オトナの味
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「うん。甘過ぎなくて丁度良い。とても美味しいよ」
「ありがとう」
 クリスティナは笑顔になる。
「それが一番苦労したから、褒められると嬉しいわ」
「そうなのか?」
 ロックオンはトリュフを摘む。
 口に入れてじっくり味わった。
「うん……ブランデーがきいてるな。美味い」
「ありがとう」
「このクッキーも美味しい」
 フェルトはオレンジママレードを練り込んだクッキーを食べていた。
「ありがと! それにはオレンジリキュールも入ってるの」
 クリスティナの説明にロックオンは、
「この菓子全部に酒が入ってるのか?」
 と質問する。
「そうよ。全部お酒入り」
「全種類食べたら、酔うか?」
「どうだろ? そんなに入れた訳ではないと思うけど……人によるんじゃない?」
 あっけらかんとした答えに、
「おいおい」
 ロックオンは心配顔になる。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないかしら。なんとかなるわよ」
 と言われるが、ロックオンなイヤな予感がしてきた。
 と。
「ロックオン」
「なんだ?」
 振り返ってロックオンはギクッとした。
 アレルヤの目が座っていた。
「なんだか暑くないですか?」
「いや、空調は丁度良いと思うが」
「そうですか?
 ……どうしたんだろう、風邪でもひいたかな?」
「酔っ払ってるんだよ」
「そうなんですか?」
「そうだと思う」
「なんだか……気持ちいいですね」
 のほほんとしたアレルヤの笑顔を見て、ロックオンは思った。
 マズい、と。
 アレルヤは以前酒に酔った勢いでロックオンの唇を奪ったことがあった。
 不意を突かれたとはいえ、ロックオンには苦い思い出だ。
 またあの時の様にならなければいいが……
 注意しなければ、と強く思う。
「ロックオン」
「なんだ?」
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