【うずもれし空白・虚無】

□わかってない二人……
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「ふ? 今なんか音しなかった?」
 首を傾げる楚良に、
「そうか? 気のせいじゃないか?」
 クリムもちょっと、首を傾げた。
「そか。
 う〜でもカールきゅんは、ボクちんの半分もレベルないし〜。
 戦ってもつまんないっていうか、結果みえみえじゃん?」
「そうだが…
 この前、自分もやる! て混ざりたがってたじゃないか。お前に決闘申し込んでた」
「けど〜。あっさり負けるってわかって、決闘したがるもん?」
 思いっきり疑問を浮かべ、楚良はちょっと眉根を寄せる。
「うみゅー…女の子って、何考えてるかわっかんねえな〜?」
 う〜、と唸った。
 と、クリムは、
「年頃だしな」
 とあっさりした口調。
「そゆもんなの?」
「そういうもんだ」
 ウンウン、と頷くクリム。
 「そかー」
 楚良は珍しく感心そうな表情をした。
「ふじゃ…ねえ、クリム〜?
 クリムは、年頃の女の子のこと、わかる? 女性経験、豊富だったりする?」
 その言葉に思わず「ブッ!」とミミルは吹き出してしまった。
 幸い楚良たちは気付いていない。
(楚良、それは質問の仕方がおかしいわ!意味合い違うって!)
「フッ!自慢じゃないが…
 俺は、女性から告白されてばかりだったぞ!」
 全く何ごともないよう、平然と答えるクリム。
(なんでそのまま流してんのクリム!
 ていうか、クリムも気付いてないとか!?)
「スッゴイ自慢げに見えるけど?」
「いいじゃないか別にっ」
 ちょっとムキになるクリムと、ヒャハハ〜と笑う楚良。
 軽く咳払いして、クリムは続けた。
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