【ガンダムOO/MOON&SUN】
□TWIN ─禁断の果実─ 番外編2
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〔消毒〕
おれは学校の先輩からレイプされそうになった。
おれは逃れようと、暴れ、声を張り裂けんばかりに叫ぶ。
先輩の仲間も加わって押さえこまれ、シャツを捲りあげられ身体を撫で回され、もうダメだと諦めかけた時、おれは助け出された。
その日の夜、おれは夢を視る。
『俺が好きなんだろ? だったら良いじゃねーか』
違う──違うっ!
『先輩……違うっ。好きだけど違うんだっ!?』
助けてっ!
おれの叫びは口付けで封じられた。
先輩は唇を首筋に移すと、片手の指をおれの口に入れる。
おれはえずき、咳き込んだ。
助けて──助けてっ!?
「あっ──はぁっ!?」
おれは息苦しさで目を覚ます。
心臓がドキドキいってる。
「ゆ、め……」
そう、夢だったのだ。
「うぅ……」
おれは虫酸が走り、思わず胸や腕を掻きむしる。
今日は念入りに身体を洗ったというのに、一向に気持ち悪さが拭えない。
嫌悪感と悔しさで、おれは泣く。
息苦しさがなくなるよう胸に手を当てた時、ライルにキスされたことを思い出す。
『ショ・ウ・ド・ク』
今まで頬や額にキスされたことはあったが、口にされたのは初めてだった。
おれは、驚きと僅かに憤りも感じたが、自然と気持ちが治まってくるのを感じていた。
「ライル……」
ベッドから降り、おれはライルの部屋へと向かう。
おれは、ライルの部屋のドアをノックする。
「ライル?」
ダメだろうか。起きてきてはくれないだろうか。
もう一度ノックしようとした時、
「兄さん?」
応えがあった。
ドアが開かれ、ライルが顔を出す。
「兄さん、どうしたんだ? こんな時間に」
「ライルっ!」
おれは、ライルにしがみつく。
「ににに兄さん!?」
おれは安堵感から泣きそうになっていた。
「ライル──」
泣きそうになるのを堪え、おれは言う。
「おれを抱いてくれ」
「へっ!? ……ええぇっ!?」
おれは、心臓が口から飛び出すんじゃないか、というくらいに驚いた。
兄さんの方から抱いてくれと言ってきたのは、今日が初めてだからだ。
「なに……一体どうしたの?」
おれは兄さんを抱き締め、尋ねる。
すると、兄さんは泣きながら話し出す。
今日のレイプされそうになったことを、夢で視たこと。
躰を触られた不快感が拭えず、気持ち悪いこと。
先輩に触られた時、これがおれだったらイヤな気持ちにならないのに、と思ったこと。