【ガンダムOO/MOON&SUN】

□TWIN ─禁断の果実─ 2
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〔闇に墜つ〕





 おれとライルは施設に引き取られた。
 テロ事件の後遺症で、おれは軽いパニック発作を起こすようになり、ライルはそんなおれと一緒にいる為に、入っていた寄宿舎を出た。
 おれ達の精神的回復を考慮してか、おれ達には二人部屋が与えられた。
 ベッドとデスクなどが二つずつ備え付けられてる部屋だ。
 おれは不安に駆られ仕方ない度に、ライルのベッドに潜り込む。
 ライルが夢にうなされて呼吸を乱すおれを心配し、おれのベッドに潜り込むこともあった。
 ライルは「大丈夫だよ、兄さん」と言って、おれの胸元に手を当てる。
 そっと優しく撫で下ろす。
 何度も何度も。
 おれの呼吸は楽になり、更なるぬくもりを求めライルにしがみつく。
 ライルのぬくもりを感じていると、自然と心が安らいだ。
 おれが発作を起こしてなくても、ライルはおれのベッドに潜り込むことがあった。
 イヤなことがあった日。
 悲しいことがあった日。
 怖いことがあった日。
 心細かった日。
 ライルはおれの躰を求める。
『さわりっこ』をしたがるのだ。
「ライル、ダメだ」
「なんでだよ」
「これはいけないことなんだ。神様が禁じている」
「兄さんは、まだ神様を信じているのか?」
「え……?」
「父さん母さん、エイミーを助けてくれなかった神様なんて、いる訳ないじゃないか!?」
「っ!?」
「もしいたとしても、そんな神様なんて糞喰らえだ」
「ライル……」
 ライルは泣いている。
 涙を流している。
「兄さん……おれは兄さんを感じたいんだ。
 兄さんが好きなんだ。
 おれには兄さんだけだ」
 今になって気付く。
 おれが『おまじない』によって精神の安定をはかっていたように、ライルはおれの躰を求め触れることによって、精神の安定をはかってたんじゃないかと。
「ライル……」
「……っ、……」
 ライルは泣く。泣きじゃくる。
「いいよ」
 おれは言う。
 おればかりが、ライルに甘えてはいられないと思ったから。
「……触る、だけなら……」
「──っ兄さん!?」
 ライルはおれを抱き締める。
 キツく、折れそうなくらいに。
「兄さん……兄さん、好きだ。大好きだ」
 ライルはおれをベッドの上に押し倒し、おれのパジャマのボタンをはずしていく。
 おれはライルから視線を逸らし、されるがままになっている。
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