【ガンダムOO/MOON&SUN】

□別離
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〔別離〕





 ディランディ家の双子の兄弟は、昔から人気者だった。
 二人は男友達だけでなく女友達もいて、バレンタインなんか女の子たちのプレゼント攻撃が凄まじかった。
 二人の性格はよく似てたが、ニールの方がおおらかで面倒見の良い兄貴肌で、ライルはちょっぴりシニカルでクールな性格だった。
 どちらかと言えばニールは男友達に人気が高く、ライルの方が女の子から恋愛対象に見られやすかった。
 ニールは面倒見がよく優しい性格が災いしたのか、女の子から安全パイとして見られていた。
 極端な話、ライルは女の子にモテモテで、ニールは男の子にモテモテだった。
 ニールも女の子から告白されたことがない訳ではないが、男の子から告白されることの方が多い。
 ライルは過去何人かの女の子と付き合ったことはあるが、ニールは「ライルが一人前になるまでは」と言って恋人を作ろうとはしなかった。
 付き合ってる彼女がいないということが、余計に男の子から告白される要因となっている。
 ゲイと誤解されることもあるのだ。
 そしてハイスクール1年生の時、信頼していた男の先輩に無理やり犯されそうになったことが、トラウマになっていた。


 最終試験も終わり、卒業を間近に控えたある日のこと。
 ニールはヒドく落ち込んでいた。
 落ち込んでいたが、可愛い弟の為に夕飯を作っている。
 ただいま、と言って外出から帰ってきたライルは、すぐにニールの異変に気がついた。
「兄さん、どうしたんだ? 顔色悪いぜ?」
「いや、ちょっとな……」
 と言い、ニールはそのまま黙り込む。
 ライルが気になってニールを見ていたら、ニールは何度も溜め息を吐く。
 ニールがスパゲティーを茹でる為の鍋に入れようとしてたものが何か気付き、ライルは慌てた。
「兄さんそれ砂糖!」
「へっ?」
 ライルは塩の入ったケースと砂糖のケースを取り替えてやる。
「あ……悪ィ」
「しっかりしろよ、兄さん」
 と言い、ライルは一旦部屋に戻り、ニールの手伝いを始めた。


「こっ告白されたぁっ!?」
「ああ」
 とニールは暗く頷く。
「兄さんってほんっと男にモテるよな」
「言うな……」
 ニールは苦虫を噛み潰したような顔をする。
 二人は夕飯を食べながら、先ほどニールの様子がおかしかったことについて話していた。
「で、誰から告白されたんだ?」
 ニールは名前を告げる。
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