【ガンダムOO/うたかた】

□神鳴り
1ページ/2ページ

 大海のただ中にあるとある無人島に、ぼく達の隠れ家がある。
 数日前から、ぼくとロックオンは此所に待機していた。
 半ば引かれたカーテンの向こうは真っ暗な闇に包まれている。
 時折、ゴロゴロと唸るような音とともに、稲光が発せられる。
 島に嵐が近付いていた。
「アッ、ア……ッ」
 長い口付けのあとぼくがロックオンの躰を愛撫すれば、彼は最初は身を硬くしていたが、すぐに緊張を解き、躰を開花させていく。
 何度目かの交わり。
 明かりを絞った寝室に、ぼくの荒い息遣いとロックオンの艶っぽい喘ぎ声だけが漏れる。
「ロックオン、好きだよ」
「アレ、ルヤ……」
 ぼくは彼に口付ける。
 深く口付けながら、彼の躰を蕩けさせる。
 そろそろ良いだろう。
 ぼくはゆっくりと彼の中に自身を沈める。
「ねえ……ロックオン、知ってる」
「……なに、を?」
「遠い昔、日本では雷のことをなんて言ってたか」
「? ……」
 ロックオンは上気した顔で首を横に振る。
「神様の神に鳴らすという字。
 古代の日本人は、雷は神の御業により起きていたと考えていたんだ」
「えっ……」
 ロックオンが僅かに驚くのが、ぼくには解った。
 驚いただけでなく、怯えも見て取れる。
「ロックオン……」
 ぼくは重く、静かに彼に囁く。
「神様が見ているよ」
 その時、一際強い稲光が窓に反射する。
「ッ──」
 ロックオンは息を飲む。
 ぼくは再び彼を愛撫する。
「や、だ……アレルヤ。
 今日は、や、め……」
 ぼくは腰を引き、律動を始める。
「やっ、アッ……ヤダ……アレ、ルヤ……
 や……あぁ……」
 ロックオンの懇願を無視し、ぼくは彼を愛す。
 激しく。
 切なく。
 狂おしく──
「愛してる、ロックオン。
 愛してる……」
「ヤ、ダ……」
 ロックオンはイヤイヤと首を振る。
 眼には涙を滲ませていた。
「愛してる……」
 ぼくは──
 彼を犯した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ