銀魂もどき
□宵闇にうかぶ緋い月F
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「銀、今度のターゲットはこいつだ。」
常に畳まれることのない布団に横になってジャンプを読んでいる銀時に、木戸は写真を渡した。
「…もう、やめにしねぇ?」
銀時は、渋々その写真を受け取りながら、けだるげにそう言うと溜息をついた。
2人目の写真を渡された時から気付いていた
木戸が“白鬼”に関わった幕府の要人を選んでターゲットにしていることを…
何を考えてそうしているのかは知らないが、辻斬りを繰り返す度に昔の記憶が甦ってくる
銀時にとって、それは苦痛でしかなかった…。
「俺が今までの奴も殺してないの知ってんだろ?
それでもまだ、この無駄な茶番続けんの?」
何を言っても無駄なことを分かっていながらも、銀時はあえてその言葉を口にした。
はっきり言って、木戸のところから逃げようと思えばいつでも出来る
木戸の仲間は慎次郎しかいないからだ
それでも逃げ出さないでいるのには理由があった
沢山の死に触れてきた銀時だからこそ気付いてしまった
木戸の死期がそう遠くない事を…。