駄文
□星は集い明星は輝くB(更新中)
1ページ/1ページ
車の中は、妙な雰囲気で満たされていた。
いちよう夏休みとはいえ、先生と生徒会長の前で騒ぐ気にもなれず
そのうえ
全員の意識が自分に向いていることを、静流は肌で感じていた。
そんな中、最初に口を開いたのは明羅だった。
「静流、今向かっている俺等の実家がどんなところか知ってるか?」
バックミラー越しに見える先生の目は、珍しく真剣みを帯びていた。
「…えっと、由緒ある旧家だということは知ってます。」
静流は、いきなりそんなことをきかれた驚きはあったが、耐え難い沈黙よりははるかにマシだと思い、そう答えた。
「…だろうな。」
短い明羅の言葉を続けたのは、その隣にいる深夏だった。
「それはそうと、静流さんは陰陽師がどんなものか、もちろん知っていますよね?」
「…陰陽道を用いて、悪霊や妖怪をはらったりする人でしょ?確か、小田原家だったと思うけど。」
なぜ、いきなりそんなことをきいてくるのか不思議に思いながら、静流はとりあえず自分の知っていることを口にした。
.