駄文

□星は集い明星は輝くA
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「やっと終わったね。帰って荷造りしないと。」


サウナのような体育館で、長い長い校長の話が終わったあと、静流は汗で湿ったシャツをパタパタと扇いだ。




体育館からでてきた生徒達は皆、暑さと話の長さにうんざりした表情をしていた。



「俺とこいつで荷造り手伝いに行こうか?」


この暑さの中、汗一つかいていない凜は、暑さでフラフラになっている莉那を支えながらそう言ってきたが、静流は莉那の辛そうな姿を見て首を横にふった。




「僕のことはいいから、莉那を家まで送ってあげて。」



静流がそう言うと、凜は面倒くさそうに莉那を見て溜め息をついた。




「それと、明日ってどうやって京都まで行くの?やっぱり新幹線だよね?」


嫌そうにしてはいるが、凜は見かけによらず面倒見がいいことを知っているため、凜がちゃんと莉那を家まで送っていくことを確信していた。




「あぁ、言ってなかったっけ?」




莉那が元気だったら、すかさず言い合いがはじまるところだったが、莉那は、凜を一睨みしただけだった。




「俺たちの従兄弟が車で一緒に連れてってくれるらしいから、明日の朝は家まで迎えに行くよ。」






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