駄文

□蛍光を追い求めて(更新中)
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「…消えた?」





天界にある自室で、総樹(そうじゅ)はそう呟いた。


「どうしたの?兄さん。」



4人兄弟の中で、唯一自分と同じ神の力を持つ四男の馨(かおる)が、漆黒と蒼の瞳で見つめてくる。

人の血が半分流れている円は、神の眷属の証である金の色彩を体に宿してはおらず、神の力の源である蒼の瞳だけが円を神だと証明していた。





「蛍人の気配が消えた。あの鈍く輝く、抜き身の刀のような儚く美しい気配が…。」






いつもは、どんなことが起ころうとも眉一つ動かすことのない総樹の眉間に、今は深いシワが刻まれている。







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