FF10
□過去拍手お礼置き場
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2010.12.1〜2010.12.26
クリスマスネタ(ジェクト)
* * *
「ねぇ、今日は何の日?」
「…去年オレ様が、試合で通算50ゴール決めためでてぇ日、か?」
「うん、まぁそうでもあるけど…って、ちがーう!」
答える彼の顔は、まるで邪気がない。当たり前のように、そう答えた。
街のイルミネーションも、壁に掛けた毛糸の靴下も、でかでかとリビングに飾ったツリーも。
たった一つの事実を指し示しているのに。
「もう、今日は一年に一度の、大切な日でしょう!とぼけないで。」
「だからオレ様の記念だってんだろ?これ以上めでたい日もないわな。」
自信たっぷり。
まさにそんな様子で笑うジェクトの靴の先を、軽くふんずけてやる。
珍しく外に積もった雪も、澄んでよく見渡せる星空も最高のシチュエーションだ。
一緒に過ごす彼が、この様子だということを除けば。
「痛ってぇな、何すんだ。」
「ジェクトがあんまりいじめるから、お返し!」
怒った、でも本当は、心の半分であたたかい感情を伴って、からかいに付き合う。
「この、待てコラ!」
捕まえてみなさい、なんて幸福な笑い声をあげながら、私を抱き寄せようとして、空を切るジェクトの腕からすり抜ける。
今日は何の日、なんて聞かなくたって、互いにとって大切な日だなんてこと、もちろん二人ともわかっている。
ソファの後ろにリボンで包まれたプレゼントが隠れていることを、私はちゃんと、知っていた。
fin
(「そういやお前こそ、クリスマスがなんの祭典か知ってんのか?」
「えーと、美味しいもの食べて、好きな人とずーっと一緒にいられる日。」
「…賛成、だな。」)
* * *