るろうにテキスト

□そういう関係
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空は青い。
雲は白い。

日差しが眩しい。

真上まで昇った昼の太陽は、建物や往来を歩く人に暖い光を投げ掛けていた。

梅が散り、桜の蕾がはち切れそうなほど膨らんでいる今日この頃。

左之助は相変わらず働きもせず、神谷道場の縁側に腰掛けてぼおっとしていた。

「剣心!それが終わったら買い物に行ってくれない?」

洗濯をする剣心の背中に向かって声を上げる薫を一瞥して、左之助は青い空を見上げる。

「お味噌が切れちゃったの」

再び彼等に目をやると、困り顔をする薫を振り返り、剣心が頷いているのが見えた。

「お願いね。出稽古に行ってくるわ」

薫はそう言って、今度は左之介の方を向いた。

「左之助も少しは働きなさい。働かざる者食うべからずよ!」

「へいへい」

へらへらと笑いながらと手を振ると、呆れた顔をされた。

「じゃあ行ってくるわね」

薫は剣心にそう告げると、振り返って愛弟子の名前を呼ぶ。

弥彦が慌てたように、竹刀を背負って出て来た。
 
「おい待てよ薫!」

「あんたがもたもたしてるから遅れちゃうじゃないの!早くしなさい」

「うるせぇな!元はと言えばお前が」

「いいから早く行くわよ!」

どたばたと騒がしく去っていく二人を、剣心は苦笑しながら、左之介は笑いながら見送る。

薫が弥彦をど突いた所で、その背中は見えなくなった。
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