小品集

□恋する姫の悩みごと
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神聖ブリタニア帝国の第3皇女、ユーフェミアは今とある人の事で悩んでいた。

その人物は言わずもがなというべきか、ルルーシュの事だ。



「(どうしたら、もっとルルーシュと会う事が出来るのかしら)」



ルルーシュとユーフェミアは恋仲だった。最も、それは周囲には秘密だが。
理由はコードギアスを知っている方なら、もう御存知だろう。ルルーシュが亡くなっているはずの元皇子で、ユーフェミアとは異母兄妹の関係にある事を。

が、そんな事は二人が幸せなので置いておき、色々と忙しい二人は此処最近特に会えない日々が続いているのだ。



「(手っ取り早いのは、やはり脱走?でもそれではルルーシュ達に迷惑がかかるのよね。ああ困ったわ、どうすれば…)」

「…殿下、……ユフィ?どうしたの?」

「………え?」



呼び声で思案の淵から戻ってくると、目の前にはユーフェミアの騎士であるスザクが不思議そうにこちらを見ている。
ユーフェミアはすっかり忘れていたが、今は二人でお茶をしていたのだ。



「あ…ごめんなさい、スザク。少し考え事をしていて……」

「…ルルーシュの事だよね」



スザクは苦笑して平気だと告げる。

ユーフェミアは黙って頷いた。

スザクは二人の理解者だった。
『血が繋がっていても、当人達が幸せなら良いんじゃない?』との考え方なのだ。

ルルーシュの複雑な事情をも知っているスザクは、二人の良き相談相手となっている。ルルーシュの実妹のナナリーもまたしかり。



「最近、お互いに忙しくて今まで以上に会う事が出来なくて…」

「あぁ、そういや確かに生徒会の方が忙しいね。で、ユフィはルルーシュに会いたい?」



寂しそうな表情で頷くユーフェミアを見て、スザクはルルーシュの様子を思い出す。
彼も、一見平然と振る舞っているように見えた。が、幼なじみのスザクから見ればあれは落ち込んでいたりするのだ。
例えば、溜め息の数が多くなったり、舌打ちの数が多くなったり。

スザクは何とかして二人を会わせようと画策した。



「……よし、一計案じますか」

「スザク?」



スザクは携帯を取り出し、どこかへ掛け始める。



[……もしもし?]

「ナナリー。僕だよ、スザクだ」

[あら。どうかされましたか、スザクさん]

「ちょっと頼みがあるんだけど…」

[…お兄様とユフィお姉様の事でしょう?]



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