□3年間で学んだこと
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私たち子供には自由はなくて、全てが大人のエゴなのだと思っていた。大人が納得してくれないから私はやりたい事ができない。そう感じていた。

例えば、このままこの場所に留まるか、知人のいない所へ旅立つか、という二つの選択肢があったとする。留まれば何も変わりはしない。ただ安全に暮らしてゆける。旅立てば今までとは違う人生を送れるかもしれない。今までの自分を知る者はいなくなって、一から自分を作り直せるかもしれない。可能性は無限大だ。

以前までの私なら、この二つの選択肢を与えられたのなら、旅立つことを選んでいただろう。何よりこれ以上大人のエゴを受け入れなくて済む。自由になれる。そう考える。

しかし、旅立つとなれば大切なモノまで置いていかなければならないのは必然だ。気の合う友人も、やっと見つけた居場所も、血の繋がった家族も。それではあまりにもリスクが大きすぎる。

それを含めて考えれば、以前の私でも間違いなくこのままの場所に留まることを選んだだろう。結局のところ、こんなリスクを背負う勇気も度胸も私にはない。ただのチキンなのだ。

そして理由はなんであれ、自らの意志でこの選択肢を私は選んだ。誰に突き付けられたわけでもない。そうすることが一番だと理解したのだ。

私たちは幾度となく様々な選択を迫られる。どの服を買うのか、何を歌うのか、誰と一緒に過ごすのか、どの大学に行って何を学ぶのか、例えそれが他人によって押し付けられるような結果になろうとも、それに従うか、否かを選んだのは自分であることには間違いない。

全ては自らが選んでいる。このことを忘れてはならない。


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