□No Title 2
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「死ぬのって怖いのかな」
いくつもの街灯にてらされて、星の見えない空を見上げながら彼女はポツッと言った。
隣を歩いていた僕に話しかけているわけではなかった。
だから僕にその答えを求めていたわけでもなかったのだと思う。
でも、その言葉は妙に印象的で、その時の彼女の表情や声、繋いだ手から伝わる冷たい手の感触は今でも僕の脳裏に張り付いている。
僕は何と答えたか忘れてしまったけれど、きっとこの時の彼女は一生忘れることはない。


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