tennis novel
□May I hear it?
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「「「「宍戸センパーイ」」」」
「えっ?」
「「「「お誕生日おめでとうございま〜す」」」」
「えっ!あーサンキューな…」
「「「「キャー」」」」
朝、学校に着いた時からこの状態が何回かあり、最初は驚いたがその内慣れて来た宍戸だった。
去年まではあまりなかったので毎年、跡部や忍足は大変だなぁと傍観者の立場だったのだが…。
今年はそうはいかないらしい。
卒業する事も関係あるかもしれないがばっさり髪を切った事によって人気が急上昇したのだ。
今までと宍戸的には何も変わっていないのだが、周囲からはどこか近寄りがたいとこがあったらしい。宍戸ファンは以前から結構いたのだが、どちらかと大人しい感じの女子ばかりだったのもあるだろう。
鞄の中がプレゼントでいっぱいになってしまい、クラスメイトがたまたま持っていた紙袋をもらいそちらも持って放課後部室に宍戸は向かう。
一応もう引退しているのだが時間のある時は部活に顔を出していた。
「宍戸く〜ん、モテますね〜」
「うっせー!黙れ岳人」
部室に入った途端、岳人からかけられたからかいの言葉に宍戸は言い返す。その顔は少し赤い。
「向日さん、あまり宍戸さんの機嫌悪くしない方がいいですよ。アレを何とかしなきゃいけないんですから」
「それもそうだな…」
思わずからかってしまった岳人を隣にいた日吉は小声で諌める。
あるものを宍戸に対応してもらはなければならないからだ。
「宍戸!あのウザイのなんとかしてみそ?」
岳人は部屋の隅にいる黒いオーラ全開のものを指す。
「本当朝からウザイんですよね…。宍戸さん、よろしくお願いします」
岳人に付け足すように日吉も訴える。
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