tennis novel

□その焔に願いを込めて…
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「おぉー」


岳人の目の前には小さなホールケーキ。
そのケーキには15本のロウソクが立っている。
その光景に岳人は思わず声をあげる。
部屋の中はロウソクの明かりだけで真っ暗。ロウソクの明かりに岳人と日吉の顔が照らされている。


「先輩、早く消さないと…」

「分かってるよ。あっそうだ、日吉ー、ロウソクの火を消すときに願い事するといいって知ってる?」

「へぇー、そうなんですか?知らなかったです。っで、その願い事はもう先輩は決まってるの?」

「当然だろ? じゃあ、いくぜ?」


岳人はふーっとロウソクに息を吹きかけ火を消した。


「誕生日おめでとうございます、岳人」

「サンキュー」


部屋の明かりをつけて2人でケーキを分ける。
といっても甘いものが大好きな岳人が3/4をとり、残りの1/4を日吉がとった。もちろん、岳人は最初は半分にしようとしたのだが日吉が自分はそんなに食べれないと断ったのだ。




「おいしー」

「そうですね…。喜んでいただけてよかったです」

「ふふ、サンキューな」

「で、岳人の願い事は何だったんですか?」

「そんなの内緒に決まってんだろ!ここで言って叶わなかったら嫌じゃん…」


それに恥ずかしくて言えねぇ…


岳人は声には出さず心の中だけで呟く。





日吉はといえば岳人が1人少し赤くなっているのを眺めながら予想通りの答に肩を竦める。

しかし、岳人の様子に少し期待を寄せながら…。




俺と(若と)…
ずっと一緒にいたい…





思ってくれてたらいいのに…(なんて言える訳ねぇ…)





2人は内心そんなことを思う。







2人の思いは叶うだろう。


お互いを大切に思うことを続けていけば…。





2人並んで歩いていく。


きっとそんな未来が来る。





end.




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