tennis novel
□♪Happy Valentine♪
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「岳人、もうすぐバレンタインだよ」
「そうだな!! 今年はいくつもらえんだろ〜。少しは滝達に追いつけたらいいんだけど…」
「はぁ…、そうじゃないでしょ?岳人もあげなくちゃ」
「誰に?ってかなんで男の俺があげなきゃならないんだよ…」
「本気で言ってる?岳人があげるって1人しかいないでしょ!」
「日吉にか…?そうは言ってもなー、俺チョコなんか作れねぇぞ?」
「それは教えてあげるよ…」
「マジ?そういやー、滝ってそういうの得意だもんなー。やっぱ持つべきものは親友だぜ」
「ホント調子いいんだから…」
岳人の調子の良さに呆れつつ、仕方がないと思っているあたりつくづく自分も岳人には甘いと滝は改めて思う。岳人に甘いのは滝1人ではない。忍足や普段は厳しい跡部も肝心な時には非常に甘い。
「はぁ…」
「どないしたんや?滝」
「いや、つくづく俺も岳人には甘いよなーって思って」
「せやなー。俺も岳人やジローには何でか甘なってまう」
「あー、確かにジローにも甘くなるわ…。ホントあの2人って得なキャラだよね」
「ホンマにな」
先程まで機嫌良く話していた岳人は他のクラスメートに呼ばれそちらに行ってしまい、その様子を見てため息をついていた滝に忍足が話し掛けたのだがこの問題は解決はしないらしい。それだけではなくもう1人の問題の人物があがってしまった。
まぁもうこの問題は諦めるしかないのだが…。
「あっ、そうだ滝!! あいつ甘いの苦手だからビターチョコな」
「はいはい」
岳人は思い出したように滝に言いに来てまた話していたクラスメートの元に戻って行った。
「しゃーないやつやなー、岳人」
「はぁー」
「まぁ…、頑張り」
忍足は滝の肩をポンポンと叩く。
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