tennis novel

□大丈夫!!
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「先輩達、ご卒業おめでとうございます!乾杯」


桃城の掛け声により『3年生を送る会』が始まった。
3年生といっても今日ここに集まっているのは元レギュラーだった6人。

送り出す1、2年生もリョーマ、桃城、海堂の3人だ。

今日はをレギュラーだけのお別れ会が開かれていた。


卒業式当日にテニス部全体のお別れ会を行い、その後、改めてレギュラーだけのものが開かれることになった。

それが今日だ。

部室にはたくさんの軽食やお菓子、ジュースなどが揃えられている。



「おチビ〜、何でこんなとこにいるの〜?」

「別に」


リョーマは乾杯の後、1人ベンチに座り、ファンタを飲みながら他のメンバーの様子を見ていたのだが、それに気付いた菊丸に捕まってしまった。


「大丈夫にゃ??」

「………」


リョーマは菊丸が言った意味を正確に理解していた。


「大丈夫にゃ訳無いよね?」

「別に大丈夫っスよ…。分かってたことだし…」

「強がらなくていいんだよ」

「強がってなんかいないっスよ…」


菊丸は手塚が卒業してリョーマが1人中等部に残されることを心配しているのだった。
寂しいに決まっている。

触れないでいることも出来たのだが、可愛いがっているリョーマの力に少しでもなりたいと菊丸は思っていた。

しかし、当の本人はいたって気にしていないといった態度を崩さない。


「心配してくれてどうもっス…。けど、高等部ってすぐ隣の校舎だし、九州にいてなかなか会えなかった時に比べて会おうと思えばいつでも会えるし…。だからオレは大丈夫っス!それでも、大丈夫じゃない時はまた英二先輩相談にのってくれるっスよね?」



菊丸が自分のことをすごく気にかけてくれているのが分かるリョーマは今の素直な気持ちを伝える。
そして最後の一言はリョーマらしいニヤッとした笑みを浮かべて。
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