tennis novel
□モーニングコール
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「おっチビ〜、おはよ!」
「おはよっス…。てか菊丸先輩、暑いっス」
リョーマはまだかなり眠いみたいだ。その上、菊丸に乗り掛かられて暑くて重く少し機嫌が悪い。
「今日は遅刻せずに来れたじゃん!! どうしたの!?」
「それってスゴイ失礼っスよ…。オレだって遅刻しない時ぐらいあるっス」
菊丸はリョーマの様子など気にする事なく、相変わらずマイペースに進めていく。
リョーマも溜め息を1つつくと諦めたように答えた。
「ふふふ、楽しそうだね。ねぇ、手塚?」
「ああ…」
菊丸とリョーマの様子を少し離れた所から見ながら不二と手塚は話していた。
「今日はモーニングコールでもしてあげたの?」
「お前には関係ない…」
周りからは和やかに会話しているように見えるだろう…。
確かにこの2人にしてはまだ和やかに話している。それは今のところだが…。
「ふーん別にいいんじゃない?起きて1番に好きな人の声聞けるんだし…。だから越前、眠そうだけどいつもより機嫌いいんだ−。英二のことすぐに振り払わないしね」
「お前には関係ないと言ったはずだが…」
手塚の眉間のしわが1本増えたのを見て不二は楽しそうに笑っている。
「してあげないの?だったら僕が明日から越前にモーニングコールしようかなー。絶対、越前の寝起きの声って可愛いと思うんだ」
「不二!そんな無駄口叩いてる暇があるなら練習に参加しろ!!」
手塚が声を荒立てたのが可笑しいのか不二はクスクス笑いながら練習に参加するためにコートに入って行った。
(このこと乾と英二に報告しなきゃね…)
内心そんなことを思っていたりするのだが…。