tennis novel
□太陽=キミ
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しとしと しとしと ザー
今日も外は雨。
昨日も雨、そしてきっと明日も雨。
そう、今は梅雨真っ只中。
外での部活はあまり活動出来ない時期だ。
毎日筋トレやミーティング、素振りそのメニューの繰り返し。
そうなってくると不満がたまる部員もいるわけで。
ここにも1人。
「白石ぃ〜、テニスやろうや〜」
「外めっちゃ雨降っとるで」
「別にええやん。わい、テニスやりたい!」
「アカン!!それで風邪でもひいたらどないすんねん!」
「そんなんでひかへんわ!」
金太郎の不満が溜まってきていたのは十分把握してはいるが、その要求は部長としても恋人としても通すわけにはいかない。
「なぁ金ちゃん。今度の日曜、駅裏のコート予約しとるんやけど、行きたない?」
「行く!!」
さっきまでぶーぶー文句を言っていたのに白石の一言できらっと金太郎の目が輝く。
こうなればこっちのものだ。
「ほな日曜まで我慢しぃ。そしたら一緒に行けるで」
「おん!」
約束やからな!と手を振って元いた場所に戻っていく後ろ姿を見送りながら可愛いなとふっと笑みを浮かべる白石。
そろそろ自分もテニスをしたかったし、何より金太郎とのデートだ。金太郎にはその自覚はないだろうが。
それに来週は梅雨明けするかもと昨日、天気予報で言っていたから久しぶりに太陽の下元気に走りまわる可愛い姿も見れそうだ。
もうすぐ新しい季節がやって来る。キミにピッタリな季節が。
太陽=キミ
(キミが輝く季節)
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