tennis novel
□伝えたい
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P P P P P…
ベッドで雑誌を読んでいた南は突然の着信に驚く。
こんな時間に東方は電話してこないし、錦織とかもないだろう。
残すは千石…のみ。
そしてやはり表示された名前は…千石清純。
「どうした…?」
『やっほー、南!!今から南ん家行っていい?』
「は?お前今何時だと…」
『てかもう実は南ん家の前なんだよね…』
「何だって?」
カーテンを開けて外を見ると玄関の前には見慣れたオレンジ頭。
窓に南の姿が見えたのかへらっと笑って手を振っている。
『ってことでみなみぃー、あけて?』
「分かったからちょっと待ってろ」
南は急いで玄関まで行くと扉を開けて、千石を中に入れてやる。
「ありがと。あっ、家族の人みんな寝てるよね」
「いや、俺以外誰もいねぇけど…」
実は南以外親戚の家に行ってしまっている。
「そっか!!じゃあオレが1番か…」
「何が?」
「ううん、なんでもない!!」
千石は南に笑いかけるとほら、行くよと勝手知ったると南の部屋に先に向かってしまう。
千石の突然の行動には慣れているつもりだが夜中の訪問は初めてだ。電話は何度かあったが。
はっきりいって危ない。何かあったらどうするんだ。
ここはしっかり言わないと、と、先に部屋に向かった千石を追いかける。
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