tennis novel
□あなたを待つ間の過ごし方
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カリカリカリカリ
紙にペンを走らせる音と時計の音しかしない静かな空間。
オレ、向日岳人とは恋人である日吉若が部誌を記入するのを先程から待っているのだが。
「少し待っててくださいね」と日吉に言われてから早20分以上経っていてオレはそろそろ飽きてきていた。いつもは10分もあれば書き終わるのに今日はその倍かかっている。
遅せぇよ、日吉。
最初は携帯をいじったりして時間をつぶしてたけどそれにも飽きた。
仕方ねぇから日吉の観察でもしてみるか。
サラサラな髪、これはホントに触り心地最高。
まぁこれはオレぐらいしか触れねぇだろうけど。
前髪が長くて普段は隠れ気味な切れ長な目。
以外に長い睫毛。
すっきり通った鼻筋、薄い唇。
唇…。
いつもあの唇にキスされてるんだよなぁ。
やべぇ思い出しちまった。恥ずぃ。
てか、コイツ…、最近めっちゃモテんだよな。前からそうだったけど部長引き継いでから余計に。
日吉はオレのもんだ。
誰にも渡さねぇよ。アイツらオレの日吉にベタベタ触りやがって。
日吉に触っていいのはオレだけなんだよ。
クソクソ!
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