tennis novel
□Happiness!!!
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「金ちゃん!」
「あっ白石!!」
金太郎に声をかけながら、コートに入ってきた白石にストレッチをしていたのを中断して金太郎は飛びついた。
「白石やぁ。なぁ、なぁ白石ぃ〜!試合しよなぁ〜」
「うーん、それは財前に聞いてみななぁ?」
白石は飛びついてきた金太郎を抱きとめ、自分の胸元辺りにある頭をポンポンとしながら目線はこちらの様子を見ていた財前に向ける。
「遠山、ストレッチの途中で勝手に行くなや」
財前は金太郎と組んでストレッチをしていたのだが相方が急にいなくなってしまって金太郎を呼びに来たのだった。
「せや金ちゃん、ストレッチはちゃんとせなアカンで!」
「えー、ワイ白石と試合したい〜」
白石が窘めるも金太郎は白石にますます強く抱き着きなかなか離れようとしない。
「ほなちゃんと練習したら試合さしたるわ」
「光、ホンマに?」
「今日だけ特別や。せやからちゃんとストレッチするで」
「おん!」
「ほな先輩、遠山とストレッチしたってくれます?」
「ええけど、財前は終わったん?」
「たぶん、もうすぐ謙也さん来るんで待ってますわ」
財前がそう白石に言っているうちにその謙也がやって来た。
その後それぞれストレッチを行い、練習に入る。
今はもう卒業した3年生もたまに顔を出して今日のように指導してくれている。
とくに今日はまだ来ていないが全員揃う予定になっている。
そのことを知らない金太郎は久しぶりに来た3年生に嬉しそうにじゃれついていた。
今日はみんなで祝うことになっている。金太郎の誕生日を。
みんなでやろうと提案したのは白石で、他のメンバーは2人で祝うのとばかり思っていたので少し驚いた。
そして時間は過ぎて部活は終了したがコート上では白石と金太郎の熱戦が繰り広げられている。
その間に他の面々は会場となる部室の準備。実は2人の熱戦を見たいのも山々だがここは堪えて黙々とは言えないが準備をこなす。
そして準備が出来たら財前がコートの2人を呼びに行くことになっていた。
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