tennis2

□素直になることも大切
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季節は秋。

しかし、まだまだ夏と変わらない暑さが続く。
秋はまだ遠そうだ。



今日も朝から暑い日、日吉は岳人の家まで迎えに来ていた。
いつもは通学路の途中で待ち合わせることが多いのだが、今日は特別だ。
岳人にも今日は迎えに行くことは伝えてあるためそろそろ出てくるだろう。



しばらくすると家の中がバタバタして玄関の扉が開いた。


「悪い、ひよ!待たせた」

「いえ、大丈夫ですよ。いつもより早いくらいじゃないですか?そんなに慌てなくても大丈夫なのに…」

「それは…その…」

「慌てて怪我されるのは困ります。ただでさえあなたは危なっかしいんだから」

「オレは全然危なっかしくねぇよ…」


岳人はむぅっと拗ねたように口を尖らす。強く言えないのは分かりにくいがこれが日吉が自分を心配して言っているのを知っているためだ。


「そんな顔しても可愛いだけですよ」

「可愛くなんかねぇ」

「可愛いですよ。そんなところも好きですよ?」

「なっ…!急になんだよ!?」

「いえ、思ったことをそのまま言っただけです」


日吉はいつもと変わらない様子だが、岳人にしてみれば普段はなかなか言ってくれない言葉を言われたので驚きと嬉しさと照れでいっぱいいっぱいだ。顔も熱い。


「いつもそんなことあまり言わないくせに…」

「そうですね。いつもはあまり言わないかもしれません。じゃあ今日からもっと言うようにします」

「えっ!?」


今もいっぱいいっぱいで心臓もバクバクうるさいくらいなのにこれをもっと頻繁に言われたら果たして自分の心臓はもつのだろうか…。

(もたない気がする。)


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